日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第417夜 カメラで撮影

 13日(火)の朝3時頃に観た夢です。

 秋が深まり、夜中に玄関の扉を叩く音が増え、4、5日に1度のペースになってきた。
 いい加減、イライラして来たので、そいつの正体を撮影することにした。
 オレは2階のベランダに三脚を置き、カメラをセットした。
 動く物があったら、自動的に撮影する方式でも良いのだが、それだと、野良猫が通っただけで、フラッシュ撮影をしてしまう。
 夜中に度々フラッシュを焚いていたら、近所の家を覗き見して撮影していると思われるかもしれない。
 そこで、ドアが鳴ったら、すかさずベランダに走り、自分の手で撮影することにしたわけだ。
 状況に応じて、カメラを調整できるので、フラッシュ自体、必要がなくなる。

 カメラをセットして、いつも通り机に向かう。
 「さあ、いつでも来い」
 時計を見ると、ちょうど夜中の12時だった。
 ま、夜中の2時から3時の間だから、まだ時間がある。
 「今のうちに少し休んどくか」
 オレは机を離れ、床に腰を下ろした。
 疲れたら、いつでも仮眠できるように、仕事部屋の床には寝袋を敷いてある。

 「コンコン」
 ノックの音で跳ね起きた。
 ところが、窓の外は既に明るくなっている。
 「ありゃりゃ。すっかり寝ちまったらしい」
 それじゃあ、隣近所の家のドアを叩いた音が聞こえたんだろうな。
 ベランダに出て見ると、もはや朝になっている。
 「イケネ。カメラがそのままだった」
 夜露に濡れてしまったかも。
 タオルでカメラを拭き、シートを被せる。
 昼の間は使い道が無いので、仕舞っておかねばならないが、どうせ毎晩使うだろうから、使わない時だけシートを被せることにしたのだ。

 ベランダから下を見ると、庭の花壇に人影が見える。
 5歳か6歳の女の子だった。
 「そう言えば、コスモスがきれいに咲いてたな」
 その子は家の前を通ったら、当家の庭に咲いているコスモスを目にしたので、近くに寄って眺めているわけだ。
 女の子は、薄いシャツに短パン姿だった。
 「すぐ近くの家の子だろうけど、あれじゃ寒いよな」
 そこで、オレは声をかけることにした。

 「ねえ。君はどこの子なの?」
 女の子が2階を見上げる。
 「スイマセン。お花見てたの。きれいだから」
 その子が庭から外に出ようとする。
 「見ても良いよ。でも、何か着て来なよ。その恰好じゃ、寒いでしょ」
 女の子が首を振る。
 「寒くないよ」
 「え。もうすぐ11月だよ。風邪をひいてしまうよ」
 「ひかないよ」
 見掛けによらず、案外、強情なガキだ。
 「カーディガンとか着た方が良いよ。熱が出るかもよ」
 「大丈夫だよ。だって」
 もう一度、女の子が2階を見上げる。
 「だって、わたし、もう死んでるんだもの」

 オレのことを見上げる女の子の目には、まったく生気が無かった。風景の写真の中に時々写る人影と同じだ。
 この世の者ではないことが一目で分かる。
 「うわ」
 驚いて、ベランダから、家の中に駆け戻った。
 心臓がドキドキと音を立てている。
 改めて振り返ると、窓の外が真っ暗だった。

 「おいおい。朝じゃなかったのかよ」
 時計を見ると、まだ夜中の2時半だった。

 ここで覚醒。