日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

ゆっくり始動

 循環器系の病気の場合、一番怖いのは「ぶり返し」で、治療や手術が成功した後はよくよく注意する必要があります。

 私の叔父は、キノコを採りに山に入ったら、いきなり熊に遭遇したのです。
 頭では「背中を見せてはいけない」と分かっていたようですが、現実に目の前に熊が現れると、叔父は本能的に逃れようとしてしまった。
 全力で走り、熊から逃れたのは良いのですが、その時に一線を越えてしまったようで、程なく心筋梗塞になりました。
 結局、バイパス手術を2度受けることに。
 2度目の時には、術直後から「調子が良くなった」と喜んでいたのですが、それが災いして、退院して数週間しか経っていないのに、桃の出来具合を見るために出掛けてしまいました。
 叔父は畑で倒れ、その夜に帰らぬ人になりました。

 義兄も心筋梗塞が発端です。
 軽微な程度だったので、カテーテル治療を受け、1日で退院しました。
 すると、病気になったのが嘘だったかのように調子が良くなっていたのです。
 そこで義兄は従前と同じように、夜遊びを始め深酒を繰り返しました。
 義兄も退院後3週間で亡くなりました。

 そういうことを見聞きしていますので、「ひと月は安静にしていよう」と思うのですが、やはり入院前より体は楽です。
 「早く動き出そう」と気が逸り、それを我慢するのが大変です。
 ま、実際のところ、動き出そうとしたら、「ダアン」と雷鳴が来ましたので、正気に返りました。
 説明が必要ですが、「ダアン」という雷撃の音は、極端な不整脈が起こった時の自覚症状です。

 せっかく生き延びることが出来そうなのに、動き出しを早めて死んだのではもったいないです。
 そこで、通院の傍ら、資料に目を通す程度の作業に留めることにしています。
 とりあえず、あと1週間で退院後ひと月が経過します。
 その辺でボチボチと始動しようと思います。

 何もしない、何もできないのはすこぶる苦痛です。