日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夫婦で同時に体験しました

4泊5日で東北地方に旅行しました。
帰路は台風に当たってしまい、500キロを移動するのに15時間くらい掛かりました。
2人だから乗り越えられましたが、障害者独りでは到底無理でしたね。

昨日は、山の中にある某温泉旅館に泊まりました。
部屋に入り、しばらくしてトイレに行くと、背筋がざわっとしました。
洗面所の左側が浴室で、右側がトイレなのですが、何だか違和感があるのです。
昨年以来、第六感が研ぎ澄まされていますので、その違和感が何かはすぐにわかります。

「あんれまあ、この風呂場に」
女がしゃがんでいるような気がします。
そういう気配があるのです。

こういう時の正しい処置方法は、「一切無視する」ことです。
存在を無視すると、関わりを断つことに繋がり、影響は生じません。

そこで「ああ。お風呂に入りたいなあ」と、当たり前のことを口に出して言い、違和感を表には出しませんでした。
そのまま大浴場に行き、風呂に入って部屋に戻り、さっさと寝たのです。

翌朝のことです。
家人がダンナに向かってボヤきます。
「昨日は眠れなかった。どうもここには幽霊が居そうな気がする」
家人によると、夜中の2時くらいに、押入れの方から「ポトン」「ポトン」と水が落ちる音がしていたとのこと。
でも、その押入れは布団を入れるところなので、水気はありません。
そこで、ダンナ(私)は笑い飛ばしました。
「そりゃ、洗面所の蛇口がきっちり閉まっていないから、水が落ちていたんだよ」

もちろん、これはこういう時の対処法です。
その場で異常が起きている時には、「一切、相手の存在を無視する」が定法となります。
このため、旅館を出て30キロくらい離れた時に、改めて家人に説明しました。

「どういう理由かは分からないが、あの部屋の浴室には女の幽霊がいた」 
自殺者なのですが、その場所で死んだわけではありません。
どこからか別の場所から来たのですが、そこに留まっているのです。
「通り道なのかも知れないし、ただ迷っているのかもしれないな」
こういう時に、その相手と接点を作ってしまうと、付きまとわれることがあります。
このため、女の話を聞いてはならないし、話題にしてもならない。
怖れてもならず、「一切の接点を作らない」ことが肝要です。

こういう理由で、浴室には灯りも点けませんでした。
灯りを点けてシルエットが見えたりしたら、さすがに驚き、声を上げてしまうかもしれません。
おそらくは、シルエットを目視しただろうし、撮影すれば写っただろうと思います。

しかし、こういう時の対処法はヤクザ者に対するのと同じです。
「はっきりと線を引いて、自分はそこからお前の側に出て行かないし、お前も入ってくるなよな」と示すことで、無用なトラブルを避けることが出来ます。

第六感は「他の者と共有できない」ことが多いのですが、今回は夫婦同時に「そのもの」の存在を意識しました。
家人が聞いた水音は、実際には鳴っていません。
家人の頭の中だけに聞こえているのです。
その音を鳴らしていたのは「あの女」で、「蛇口を閉めに浴室に入って来い」と誘っているのです。
こういうのを耳に留めたら駄目で、一切を拒絶する必要があります。

「怖いもの見たさ」の好奇心を持っては駄目です。
自称「霊感のある人」や「霊能者」の能書きも聞いてはいけません。
自分で心霊写真を1枚も撮れない者の空想話など、何の役にも立ちません。
ただ遠ざかるだけで、目の前の難から逃れられます。

鰐が口を開けて待っているところに、スリル感を味わうために脚を差し入れていれば、必ずいつか食われてしまいます。
「鰐がそこに居る」ことを第三者に理解してもらう必要はありません。
まずは近寄らないことが一番ですが、まあ、そんなことを自戒する以前に、暗い浴室の中に「誰かがしゃがんでいる」という確信を得た時点で、咄嗟に後ずさりしてしまいます。