日刊早坂ノボル新聞

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合戦始まる

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12月4日より、盛岡タイムス紙上で、『北奥三国物語 鬼灯の城』が始まりました。
当面、木日の週2日掲載となるようです。

史実として残っているのは僅かです。
天正末期、釜沢の小笠原重清は、三戸南部と九戸のいずれにも加担しなかった。
戦が終わった後、重清は「九戸攻めに参陣しなかった」ことで、南部方の大光寺左衛門らに攻められ、殺害された。
これが総てで、この他、家伝のような資料もあるのですが、どうも信憑性が薄いようです。

さて、本作は、シェークスピアの『マクベス』を戦国北奥に移し替えたものです。
大幅にデフォルメしますが、構図は『マクベス』と同じです。
本家はこんな感じ。
マクベスは妻と謀をめぐらし、主君を暗殺する。
王位に就くが、暴政を行い、貴族や王子らによって倒される。

最も有名なのは、第4幕でマクベスが魔女の預言を聞く場面です。
「女の股から生まれた者には倒されない」
後々、その言葉が生きて来ることになります。
黒澤明『蜘蛛の巣城』は、『マクベス』をベースにしていますが、そこでは「山が攻めて来ぬ限り」でした。

本作「呪い師の章」は、釜沢館に霊媒の杜鵑女が現れる場面が中心となります。
杜鵑女は、北奥一の祈祷師である柊女の許で修行した巫女でしたが、戒律を破り、柊女に破門されていました。
重清は、門前で倒れていた杜鵑女を拾い、その処遇を思案します。
続く「邂逅の章」では、目時館との人質交換によって、桔梗が釜沢館にやって来ます。
重清の運命はこの二人の女によって、大きく変わっていくことになるのです。

岩手県内在住であれば、『鬼灯の城』をリアルタイムで読むことが出来ます。
この機に、是非、盛岡タイムスの購読をお願いします。
(地方配送も可能ですので、そちらもよろしく。)