◎道義はどこに行った
最近のニュースでは、「告発される側」は皆同じことを言う。
「法律に触れるようなことはしていない」
「私自身は関わっていない」
「証拠は無い」
しかし、そういうのは裁判所の中の話で、日常生活の中には「道義」というものがある。
昨日のニュースでは、某ジャーナリストが就活女性をレイプした件について、被害者女性が告発していた。具体的な相手は、元TBSの山口氏だ。
まだ初発の報道で、具体的な詳細は分からないが、少なくとも確実なことはこれだ。
山口氏は、
「就職の相談に来た女性を食事に誘った」
「さらに2軒で酒を飲ませた」
「酩酊した女性をホテルに連れ込み、セックスした」。
そのこと自体は否定していない。
問題は「強姦した」かどうかではなく、こういうことが道義上、許されるのかどうかということだ。
答は自ずから明らかではないか。
パワハラよりも悪質なことが歴然だ。
おまけに「結局、就職の世話をしていない」というオチもついている。
乗り逃げということ。
これと同じことが本当に頻繁に起きている。
決まりがあるのに、それが特定の対象に向けて曲げられており、その恩恵にあずかるのが権力者に近しい人だ。
「私(権力者)自身は関わっていない」
「法律には触れていない」
「証拠が無い」
犯罪にはならなくとも、道義的には、十分過ぎるほどクロだ。
今の政権は、小泉政権とほぼ同じくらいの期間続いている(正確には超えている)。
しかし、こういう事件や疑惑が、小泉政権下では「一度たりとも起きていない」。
そのことをよく考えるべきだ。