日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎神隠しの地

夕食後に家人がひと言。
「※※※に行ってみようか。あの、前に人がいなくなったとこ。たぶん、扉があって、そこに迷い込んだ。そこに行って写真を撮れば、分かることがあるかもしれないよ」
※※※は具体的な地名ですが、差しさわりがあるので伏せます。

当家夫婦は、双方とも「あの世」には敏感なほうです。
今はさほどではありませんが、写真には頻繁に人影や光が写りました。
影響の無いものでは残しているものもありますが、大概はその場で捨てます。
興味を持って関わろうとすると、接点が生まれてしまいます。
写真自体には問題はないことが多いのですが、いざ関わり始めると、境界を踏み越えて、どんどん入り込んで来ます。

「止めとこう。こっちがミイラになったら困る。お前はともかく、オレは死に掛けの人間だから、影響は半端無い。連れて行かれたり、変なのに付きまとわれたりすると困る」
しかし、家人は能天気なほう。
「そう?ご家族は今も心を砕いているだろうから、消息が分かれば心の整理がつくのに」

しかし、ダンナの方は話を締め括りました。
「ダメだよ。もう石段の上のほうに、白い足が二つ並んでいるのが見えているもの。ただのイメージに過ぎないかもしれないが、リアル過ぎる」

裸足の足先が、石の階段の上に乗っている。
でも、くるぶしの上から先がありません。
そのイメージが頭から離れません。

せっかく悪夢が減り、現実に「この世ならぬ者」を観なくなって来たのに、自ら引き入れることはありません。いずれ体が弱れば、また始まります。
それまでは、極力、平穏な日々を望みます。