日刊早坂ノボル新聞

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◎『北奥三国物語 鬼灯の城』(七)汚名の章  要約 (盛岡タイムス連載中)

◎早坂昇龍『北奥三国物語 鬼灯の城』(七)汚名の章  要約 (盛岡タイムス連載中)

 和議の儀の前日。
杜鵑女と桔梗は、互いに相手を毒殺する方法を思案する。
また釜沢館、目時館の双方で、互いに相手を攻め落とす手順を密儀した。
 当日になり、杜鵑女が隣室に潜み、聞き耳を立てていると、見届け人として現れた帷子豊前は、もう一人の立会人を連れていた。
 その立会人は巫女の柊女で、杜鵑女が長く仕えていた師である。杜鵑女は柊女への恨みを忘れておらず、桔梗と共に柊女をも毒殺することを決意する。
 和議の儀が終り、祝宴が始まる。
 杜鵑女が毒を仕込んだ手拭いを二人の許に配置させると、侍が駈け込んで来た。
 「神社口で合戦が始まっている」という報告に、この場の全員が緊張する。
 ところが、月山神社の前で戦っていたのは、四戸軍と目時軍だった。
 目時が釜沢館を攻めようとした、その同じ時に四戸が兵を寄せたため、両者の間で戦闘が起きたのだ。
 重清は目時筑前を詰問するが、筑前が抵抗したため、これを殺した。
 重清の正室である雪路は、筑前の血を浴びたので、傍にあった手拭いを手にするが、これが毒入りであった。このため、雪路はその場で絶命する。

 重清は、四戸方の小保内兵衛、目時方の佐藤弥五郎を支配下に置き、目時領の総てと四戸領の四分を手中に収める。
 一月八日になり、重清は筑前の子・目時孫左衛門を帯同して三戸に赴く。
 重清は南部信直、北信愛に状況を話し、孫左衛門、帷子豊前に証言をさせた。
 これにより、発端に目時筑前の謀略があったことが判明し、この騒動は不問とされることになった。
 南部信直らは、近々に九戸を攻める目的で、合戦の仕度をしていた。
 重清は九戸政実にこのことを報せるべきかを思案する。