◎ツカない人
悪友のコウちゃんが雀荘のメンバーをやっていた時に、一時、「嵌りに嵌った状態」に陥ったことがある。
コウちゃんは元々遊び人だから、麻雀は半端なく打てる。
前にも書いたが、人和を上がっているのに、「平然と見逃して」地和をつもるようなヤツだ。(ここのポイントは平然と、ごく当たり前のように見逃して、だ。)
メンバー職は雀荘の主人から頼まれて、暇つぶしに引き受けたのだが、そういうゴロツキ同然のヤツでも運気が下がる時もる。
小ピン(千点千円)の安いレートなのに、半日も経たないうちに十万二十万と負ける。押すと勝てないし、引くとツモられる。それがその日だけでなく、毎日続くのだ。
コウちゃんの場合は、それがひと月の間続き、「助けてやっている」筈の雀荘相手に百万単位の借金が出来た。
「何日間かツカない」くらいは誰にでも起きるが、丸々一ヶ月続くのは少ない(初心者じゃないのに)。
コウちゃんがあまりにツカないので、夜のクラブ活動に連れて行ったことがあるが、その時には「今は牌を持つのも怖い」とこぼしていた。
何をやっても駄目なので、自分は極力卓に入らず、打たないようにしても、ピンチを頼まれた時には卓に入らねばならない。そのピンチの1、2局で、コウちゃんは飛んでいた(笑)。ピンチを頼んだほうも堪ったもんじゃない。
傍で見ていて、「ここまで、やることなすことが裏目に出ることもあるんだな」と感動すら覚えた。
最近の財務省の対応を見ていると、あの時のコウちゃんの姿を思い出す。
とにかく、やることなすこと「ド下手」に見える。 セクハラ次官の対応とか、どうやったらあんなにド下手なことができるのだろう。見ていて恥ずかしい。
だが、案外、当人は必死でやってたりする。ただ、本当にツカ無くなっている状態だ。
やはり、生きていくには知力だけでなく人間力(「懐」とも言う)が必要だということだ。
これがオチ。
ちなみに、ツカなくなったら、抵抗するのはやめて、「3歩も4歩も退く」ってのが正しい方法だ。
麻雀がツカなくなりゃ、しばらく打たない。仕事で意にそわぬしくじりが続くなら、ひたすら謝り続けるだけ。事態を打開しようと抵抗すると、もっと状況が悪くなる。