◎この人のここがスゴい :川内優輝さん(マラソン)
この人は一介の市民ランナーのままで競技生活を続け、プロ級選手の多数出場するボストンマラソンで優勝した。
日本のマラソン協会は首尾一貫してこの人には冷たく、ことあらば競技を止めさせようとしているかのような雰囲気があった。
普通はトレーナーやコーチ、医師など「チーム」がつき、「組織」が金銭面を支える。そういうのが一切無く、費用も自前だ。この人には「皆さんのおかげでここまで来られました」という感謝の言葉が不要だ。誰も支えていないどころか、どこか皆が軽視して笑っているところがあった。
それなのに結果で見返したのは「スゴイ」のひと言。
今やアウトローのカリスマみたいな存在になった。
体制に迎合する気配がまったくないから、東京五輪だって「成績に関わらず選ばれない」可能性があったが、今や選考は一発勝負に替わった。
そこを鑑みてのプロ宣言だ。
この後も「噛み付いてゆく」ことが明白で、アンチ派のヒーローになりつつある。
本当にスゴイのは、この人がボストンで優勝するのは、世界的に見て信じられない事態なのに、メディアは常に体勢側だから、報道が極めて素っ気無かったこと。
「無視したくなるヤツ」は。やはり「底力のあるヤツ」だ。
逆に「皆に愛されるヤツ」ほどつまらない存在は無い。
他人に気に入られることで何が得られるのか?
それで何を極められるのか。
川内さんのこういう路線は好きですね。