日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎「国民総詐欺師時代」

◎「国民総詐欺師時代」
以下に小話が三つ。
<殺人事件で>
マルボーの組長が組員に向かって言った
「おい。※※を許しておくわけにはいかん。お前が行ってシメて来い」
組員には800万円の借金があった。
「お前には800万の貸しがある。もちろん、嫌とは言わんだろうな。それとも灰になってゴミ処理場に埋められたいのか」
組員は渋々応じた。
「分かりました」
組員は※※の腹にドスを突き立て、殺人罪の現行犯で逮捕された。
組員があっさり自供し、すぐさま警察が組長の許に向かった。
「おおい。お前は『殺して来い』とあいつに命じただろ」
組長は平然と答える。
「そんな。私は『殺して来い』などとは言っていませんよ」
「『殺せ』でも『あの世に送れ』でも一緒だからな。お前のところの若い衆は、お前に命令されたからやったと答えている」
「いえいえ、とんでもない。私は『シメて来い』と言ったのです。殺せなんて大それたことは言っていません。『シメる』ってのは、首を絞めるのと一緒で、懲らしめるっていう意味です。あるいは『示しをつける』という意味です。すなわち、私は『ちょっとやり込めて来い』と言ったのであって、『殺せ』ではありません」(ここまで)

もの事は見ようによっては様々に見えるもの。
詐欺師は、ある一面からの見え方のみに着目し、それを利用します。

<下水管詐欺>
日曜の昼に、お年寄りの家を作業着姿の男が訪問した。
「こんにちは。私は市役所の方から来ました。お宅の下水菅は長い間掃除をしていませんね。最近、菅の清掃を行いましたか?」
「いいえ。家ではやっていません。何か不都合があるのですか」
「長期間やらないと、下水菅が詰まったり、割れたりします。市役所の方でも度々、案内を出している筈ですが」
「え。まったく知りませんでした」
「大丈夫ですよ。申込書を持参しましたので、これにサインして頂ければ、今日のうちに済みます。強力洗浄でしたらね。普通の洗浄の場合は一度では終わらずに、二度三度やらないと綺麗になりません。強力洗浄なら1回で終わります。費用だって、三回やるよりは割安になります」
作業が終わると、男が請求書を差し出す。
「終わりました。今日の費用は23万円です。2万円ほどサービスさせて頂きました」
「ええ!随分高いのですね」
「最初の申込書に費用明細を記してあります」
よく見ると、確かに細かい文字で数字が並んでいた。
お年よりはその代金を現金で払ったが、しかし、どうにも納得出来ない。
市役所に電話したが、しかし、「こちらではそういう工事はやっておりません」との答えだ。
慌てて、洗浄屋に電話すると、あの男が出た。
「私どもは『市役所の方から来た』と申し上げたのであって、市役所の者とは一言も申しておりません。通常の営業を行い、申し込みがあったので、受注どおりの仕事をさせて頂いただけです」(ここまで)

<国会にて>
野党の質問者が※ナセ氏を問い質した。
「あなたは※月※日に、学部新設の件で、県や市の担当と会いましたか?」
「あっていないように記憶しています。あまり憶えておりませんが」
県の方から面会記録について問われると、ヤナセ氏が答えた。
「※月※日には、学園の人と会いました。県や市の職員がその場にいたかどうかは定かではありません。たぶん後ろの方におられたのでしょう」
「どうして、学園の人と会ったことを言わなかったのですか」
「だって、訊かれませんでしたから」
実際には、その場に学園、県、市の担当者が横並びに座っていた。(ここまで)

都合の良い事柄しか「言わない」のも、詐欺的手法の重要な要素。
聞く側は言われた情報だけで判断するので、意図的に聞き手の判断をミスリ-ドすることを目的とする行為です。

どいつもこいつも詐欺師。
「国民総活躍時代」とは、「誰も彼もみんな詐欺師」のことを指しているようです。