日刊早坂ノボル新聞

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◎4600万の行方

4600万の行方

 「ネットカジノで使った」と言う話を真に受けて、ネットカジノの実態を調べているメディアがいるが、まさにアホ丸出しだ。

 こんなのは単なる「洗浄」に過ぎない。

 

 バクチは必ず「タネ銭を入れる」ところから始める。

 競馬なら馬券を買う。この場合は当たらぬと金に換えられぬのでむしろ例外だ。

 リーチ麻雀なら現金をチップに換える。

 カジノだって、チップに換える。

 これらの場合、「チップはいつでも現金に交換できる」。これがポイントだ。

 

 ネットカジノでは、ソコソコのお金をタネ銭として先に収め、その中から掛け金を出し勝てば余計に貰え、負ければそれが無くなる。

 通常の資金洗浄なら、チップを買って、それをそのまま現金に換える。手数料と税金を払うが、しかし、出所のはっきりした金になる。カジノ自体が合法であれば、金の出処に違法性はない。

 麻薬など非合法の商売で手に入れた現金を自由に使えるようにするには、資金を洗浄し、出所が「犯罪ではない」と示す必要がある。

 このためにはカジノが最も便利だ。

 

 この二十三四歳のアホは、「せっかく入った金だから、騙し取れないものか」と考えた。

 そこで、まず中間の業者を通じ、タネ銭を小分けにして全額を送った。

 実際の賭博は必要ない。単にそれを換金すれば良いだけだ。

 その際に、まったく別人名義の口座に振り込んでいる。

 金のルートを辿った時に、本人のタネ銭口座(この場合はネットカジノ業者の帳簿)から先が消える訳だが、その理由を「負けてスッたから」ということにした。

 仮に露見しても、4千万が手に入るなら、御の字だ。

 「スッた」で押し通し、「無いものは取れぬ」という流れに持って行こうとしている。

 (この辺はヤクザ者の知恵が入っている。金融ヤクザはこういうのはお手の物だ。だからアホだというのだ。成功してもそのヤクザに全部取られるからだ。)

 

 このバカがすんなり犯罪を認めたのも、「少しずつでも返します」という意思を示すことで、町が示談してくれる方向に進める目的による。

 分割返済で示談したところで、まともに返し続けた者などこの世に存在しない。

 刑務所を出た後は、消息不明になる。

 「先に示談する」のがポイントで、こうしておけば刑が軽くなる。

 下手すれば数年で済む場合がある。数年で4千万なら、タタキ(強盗)なんかよりも、効率がよい。

 

 これらの証拠は、町から「返せ」と言われた後に送金を開始していることと、その送金口座に博打の返金(アガリ)が一円も戻っていないことによる。

 4千万の金をぶって、一度も当たらぬことは有り得ない。

 そもそも金の戻る口座が違うということだ。

 返却を求められた後に慌てて送金し、「スッてしまいました」なら、どう考えても辻褄が合わない。

 

 でも、コイツはどうしようもないドアホだ。

 「ネットカジノでスッた」は半島人並みの浅はかな嘘だ。

 コイツが騙し取った金は、誰かまったく別人の口座に戻っているわけだが、刑務所からコイツが出た時には、金は無くなっている。

 警察も馬鹿ではなく、この辺の仕掛けは分かっているから、「出来心でやりました」という件(窃盗)だけではなく「詐欺罪」も追加する。

 4千万の詐欺罪なら、お務めは十年くらいありそうだ。執行猶予もつかない。

 

 ま、日本人は底抜けのお人よしだ。

 高級官僚(サガワ氏)が、政治家への「忖度」で犯罪を犯した、などという作り話を相当数が信じる。アホか。役人は忖度とは対極にある。指示されてもロクにやらぬのに、自ら進んで犯罪を犯すか!

 しかし、この件の被害者は町役場で、世慣れぬ者の集まりだから、犯人を窃盗犯として四五年ぶち込むどころか、幾らかでも戻せるようにと、「少しずつ返す」条件で示談してしまいそう。

 

 とりあえず、「社員のミスは会社のミス」だから、管理職以上級の役人が給料を一割ずつ返済に充てることになる。これは全額埋まるまで続くから、四五十年掛かる。

 何せ新人職員に出納を丸投げにし、チェックもしなかったのなら、もはや会計担当個人の責任ではない。

 とりあえず、二十四歳のアホに「お前には金は一銭も入らない」と教えてやることからだと思う。「自分だけ刑務所で、金も貰えぬ」ことが分かれば、べらべら話す。

 

追記)最終送金先は疑いなく米国だ。米国ではカジノで換金する時に1万ドル以上には課税される(10%前後)。最初から入金後すぐに別の口座に移すつもりなので、課税されるのを避けるために、9999ドルを送金し、そのまま換金したということ。

となると、完全に詐欺事件だ。
あれこれ算段するから、仕掛けがバレる。