日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎霊の同化

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◎霊の同化
 肉体が滅ぶと、一旦、魂だけの存在になります。
 そこから、自我を解除し、こだわりを捨てれば、魂は霊となり、霊界の海に溶け込みます。
 それを拒み、自我に執着し、そのままでいようとするものがいわゆる幽界の霊(幽霊)です。
 「幽界」は霊的存在を段階的にとらえたもので、便宜的なもの。線や境界があるわけではありません。

 ところが、自分自身を一個の存在として認識するためには、肉体が必要になります。
 感覚や喜怒哀楽の経験を通じて、ひとは自身を認知し確認しているのです。
 幽霊は肉体を持ちませんので、時の経過と共に、自我が薄らいで行きます。

 強い執着心を抱えたまま死ぬと、暫くの間、自我はそのまま保たれます。
 仏教では「四十九日」と言ったりしますが、これはそのひと、その魂によって違います。
 現世の尺度で、数年間そのままでいると、それまでひとの中にあった魂は幽霊に変化します。
 幽霊は執着心だけの存在で、そのことで自我を保っています。

 さて、その先どうなるのか。
 確認手段を持たぬまま、自我を保つのは難しいことですので、幽霊は次第に崩壊して行きます。
 私はそれを「消散」と呼んでいますが、幽霊は肉体も思考能力も持たないので、やはり自我を保つのが難しいわけです。
 かつての心はばらばらに散り、一部は霊界に流れ、また一部はそのまま断片として留まります。

 恨みや憎しみなど執着心が強い場合は、さらに自我が保たれます。
 通常、十数年ほどそのままの状態で居ると、幽霊は悪霊に変化します。
 悪霊は悪意を自我の拠り所とし、それを撒き散らす存在です。
 もちろん、時間の経過と共に、否応無しに消散が始まりますので、それを避けるためには自我を強化する手立てが必要になります。
 これが「同化」で、似たような苦しみや恨み、憎しみを持つ幽霊がひとつにまとまり、思いを強化するわけです。
 そのことで自我が強固になり、存在し続けることが可能になります。

 幽霊は自然の造形物を利用して、自らを示そうとしますが、意識の程度によって現われ方に違いが生じます。はっきりとかたちを示すものは、それだけ自我や意志(悪意)が強固だと言えますが、多くは複数の霊が凝り固まった存在です。
 そのせいで、男にも女にも見える。複数の人格が重なっているので、そう見えるのです。

 画像の女性は、見ようによっては、若者にも見えます。
 自我の拠り所は、悪意ではなく苦痛で、病気で亡くなった時の苦しみを繰り返し反芻しています。
 さらに「父母の許に帰りたい」という思いが強いので、同じような思いを抱く霊と同化したのです。

 お参りをする度に、「拘りを解いて、あの世に入ると苦痛から解放されますよ」と念じるのですが、皆で慰めれば、何時かはその時が来るだろうと思います。