◎扉を叩く音(続)
毎年、「十月から三月にかけて、深夜、玄関の扉を叩く音がする」話の続きです。
今年から、十月以降でもなければ、玄関のドアも「出入り自由」な状態になっています。
よって、表題は事実にそぐわなくなっています。
19日午後4時の記録。
2階で仕事をしていると、玄関のドアの鍵がガチャガチャと音を立てました。
「息子が帰って来たのか」と時計を見ると、この時間です。
まだ仕事が終わっていないはずなのに。
ドアが開く音が聞こえ、バタンと閉まります。
息子で無いなら、家人が帰って来たということです。
そこで、用事を言いに階下に降りてみると、家の中には誰もいませんでした。
鍵の音と言い、ドアの開閉音と言い、近所まで響くような大きな音だったのに。
でも、ま、今では「音がした」という次元の話ではなく、常に私の後ろに「誰かが立っている」という実感があります。
もはや、昨年までとは、まったく別の次元にいるわけです。
願わくば、3月を越えて生きていられますように。