日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎扉を叩く音(続)

◎扉を叩く音(続)
 「毎年、秋から冬にかけて、深夜、玄関の扉を叩く音が聞こえる」話の続きです。

 2月15日午前3時の記録。
 居間で寝そべっていると、唐突に外で「ドコ」という音が響く。
 音の質感が独特なので、何が起きたかはすぐに分かった。

 「あれは水の入ったペットボトルが倒れた音だ」

 朝、車のフロントガラスが凍り付いていることがあるので、ペットボトルに微温湯を入れて車まで持っていく。しかし、乾燥した日は霜が下りたりしないので、ペットボトルは不要になる。帰宅時にそれを持ち帰って、家に入れるのだが、それを玄関先に置き忘れていた。
 そのペットボトルが倒れた音だ。
 2リッターくらいの一番大きなヤツだから、ひとりでに倒れることはない。

 「さては、つまづきやがったな」
 思わず笑みがこぼれる。

 玄関の前には、ひっきりなしに「何か」が訪れるらしく、夜間はライトが頻繁に点いたり消えたりする。
 当家の玄関先には、動作反応式のライトが頭の上と足元に置いてあるが、点くのは概ね足元の方だ。
 当方が帰宅する時には、隣の家の垣根の前を通っている時にパッと点く。
 垣根で遮られており見えないが、明かりが点いたのは、もちろん、分かる。

 「一体、何に反応しているのだろうな」
 ま、その答は色々ある。

 あの世の住人から当方が見えることや、そのせいでどこに行っても寄り集まって来ることが分かっている。たぶん、そっちの影響だろうと思う。
 妻子の時には反応しないわけだし。

 半年くらい前は、家の中でも異常が頻繁に起きていたが、毎日、お香を焚くようにしたら、頻度がかなり減った。
 もちろん、ゼロではない。
 現に、そう考えた途端に、息子の部屋の壁が「バキーン」と鳴り、2階の廊下を「ドン」と踏む音が響いた。

 もはや「特別なことではない」ことが分かったので、このテーマで記録を残す必要が無くなりつつある。
 この先は「何なのか」ではなく、「誰なのか」に進むことになる。