◎この人のここがスゴい :マイケル・パレさん
パレ(敬称略)は、80年代半ばの映画、『ストリート・オブ・ファイアー』の主演男優だ。
80年代に大学生くらいだった者にとっては、こいつは「同時代映画」だ。ウィレム・デフォーや、ダイアン・レインが世に出た映画だし、脇の人たちも他の映画で頻繁に見かける。
監督がウォルター・ヒルで、『48時間』を撮った直後に作った。
筋は西部劇そのもので、「町に風来坊のガンマンがやって来て、悪者の手から牧場主の娘を守る」みたいな筋を現代版に直した感じ。
いつものウィルター・ヒル節で分かりやすい。
マイケル・パレの凄みは「ずっと続けたこと」。
素人同然からいきなり売れたが、それ以後はスタアになるでもなく、かといって消えもせずで35年だ。
その間、同じようなB級アクションやSFに出続けて、同じような役柄をやって来た。
よく腐らずに続けたもんだ。
普通は焦ったり、嫌気が差したりする。
しかし、日本の某歌手みたいに「昔の歌はもう歌わない」なんてことを言いもせず、同じような役を同じような演技で嫌そうな顔もせずやって来た。
パレは演技がどちらかと言えばヘタクソの部類だったこともあり大スタアにはならなかったが、今も映画に出ているのは、やはり「動じず、腐らずに続けた」ことによるのだろうと思う。
同じ時期に世に出た、『48時間』のエディ・マーフィはすぐに大スタアになったが、今は年収2千万以下の年金暮らしになっている。
ま、こちらは病気をしていたのかもしれん。
健康が総ての基本で、これを失ったら続けるのは難しい。