◎煙玉が写る環境条件
たまたまテレビを見ていたら、いわゆる「スポット」探検リポートみたいなものをやっていました。
場所はどこかトンネルの中らしい。
湿気がこもりやすい。
埃が立ちやすい。
いつも空気が澱んでいる。
ここに人が入って行くと、空気をかき回す効果を生むので、ミストを生じさせます。
天空で起きていることと同じで、埃の芯に結露して、細かい粒が出来るわけです(たぶん)。
そこで、フラッシュ撮影すると、そのミストに光が反射するので、「玉」が光って見えます。
朽ちかけた廃屋、
トンネルや洞窟、
地下室、
うっそうと木々が茂る森の中、
みたいなところでは、煙玉が写りやすくなります。
要するに大半が自然現象です。
埃だけの時にも出ますが、ごく小さい光です。
蛍よりも小さい虫がすうっと動いて写る時にはこれです。
赤外線で撮影するとミストや埃が若干、写りにくくなりますので、そちらを併用するとよいです。
自然現象と見なすことが出来るケースばかりです。
息子が傍にいたので、「いかにも、という場所には、それなりの環境要因が必ずある。ま、大半が自然現象だよ」と説明しました。
「説明のつかない現象」の時もありますが、特別な意図をもって出るのではありません。
標識のようなもので、さしたる意味はありません。
ところで、番組の中で、その地にまつわる怪談を紹介していたのです。
「トンネルの中で、クラクションを3回鳴らすと、前に女が立つ」
これには、さすがにゲタゲタ笑いました。
これは創作でしょうねえ。
トンネルの中で、理由無く車を停めて、クラクションを鳴らす者はいません。
心霊ビデオの見すぎで、設定が「針の穴を通す」よう。
誰かに教えられてそうする人はいるでしょうが、最初にその行為を行う者を想定し難い。
それに、トンネルの奥の方ばかり着目して、前ばかり撮影していましたが、「前から来るに違いない」という思い込みがあります。
獣と同じで、もし先方がこちらを検知したら、気付かれないよう背後や風下に回ります。
前だけでなく、後ろに目を向ける必要があるのです。
どうしても知りたかったら、前後を同時に撮影することです。
それ以前に、死者を小ばかにして、面白おかしく扱おうとする意図があると、良くない結果を招きます。
死霊は特別なスポットだけにいるのではなく、どこにでもいます。
わざわざ悪縁を引き込むことはありません。