◎似ている人
病院のロビーを通ると、時々、「誰か」に似た人を見かける。
親戚・知人、仕事関係、かつての同級生等々だ。
その中には、「生き写し」に近いくらい似ている人がいる。
顔かたちの印象だけでなく、身長や体型までそっくりだ。
「ありゃ。何でこんなところに。確か東京在住ではなかったか」
しかし、よく見ると、やはり本人ではない。
当方も、十年に1回くらいは「誰か」と間違われる。
「あなたは※※さんですよね」
「人違いです」
「ウソ。※※さんでしょ」
「違いますよ」
それでも信じない。挙句の果てには、怒り出したりする。
「瓜二つ」に見えるくらいそっくりな人が、「この世には三人いる」と言われるが、実際はもっといる。
本題はここから。
先日、やはり「そっくりな人」を目にした。
その知人と「そっくりな人」が座っている椅子の前に目をやると、診療科の掲示がある。
すると、さらにそっくりだということに気付いた。
「確か本人の方も、その臓器の病気で入院したよな」
顔立ち体つきだけではなく、罹る病気も似ているのか。
遺伝子の組み合わせは、ごまんとありそうだが、実際には幾つかのパターンがあって、完成型の種類はさほど多くは無い。
すると、「外見が似ている」というのは、案外、病気の予防や治療に役立つのかもしれん。
親族には「罹り易い病気」があるが遺伝形質による。
「似ている」のも、やはり遺伝形質の類似性だと思う。
ま、単純ではなかろうが、今は顔認証システムがあるので、それと既往症のデータを組み合わせれば、ソコソコ分かることがあるのではないかと思う。