日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎中尊寺あれこれ

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中尊寺にて

中尊寺あれこれ

 毎年、晩秋に中尊寺を訪れるのだが、今年は行けず。

 この地を訪れるのは、取材目的が半分以上を占める。

 九戸一揆の時に、羽柴秀次が奥州大崎まで遠征して来たのだが、当地を支配していたのが伊達政宗だ。その年の春に、伊達政宗は大崎旧臣を唆(そそのか)して、秀吉に反抗させようとしたのだが、見破られて、当のその大崎に領地替えになってしまった。

 自身が一揆を唆したのに、今度はそれを平定しなくてはならなくなり、政宗は対応に困る。そこで政宗は、結局、一揆の中心人物を集め、皆殺しにした。

 

 この年(天正十九年)の秋になると、奥州各地の一揆を鎮めるために、上方軍がやって来る。

 羽柴秀次や浅野長吉、蒲生氏郷らの遠征軍だ。いわゆる第二次奥州仕置きがこれだ。

 九月初旬から中旬に、九戸党を壊滅させ、遠征が終了する。

 この時、羽柴秀次は後方にいたのだが、その世話を伊達政宗が担当していた。

 「宮野(九戸)城が落ちた」という報せが届くと、秀次も伊達政宗もようやくひと安心した。政宗は秀吉の気分次第で、いつ首を切られるか分らなかったし、秀次の方だって、秀吉に実子が出来ればお払い箱になる。

 両方とも微妙な立場だったから、あらゆる意味で「しくじり」は許されない。

 その意味で、「宮野落城」の報告を受け、心底よりほっとした筈だ。

 何せ、天下を手中に収めてからの秀吉は「まさに狂人」だった。

 気に入らぬ者はすぐに打ち首にしたし、欲しい女は無理やりにでも手に入れた。

 家臣の妻に目を付け、強引に離縁させ、夫を辺地に追いやるようなことは平気だった。

 ある侍が「関白さまが手古摺っておられる大崎の一揆をそれがしが鎮めましょう」と売り込みに来たのだが、その「手古摺って」という言い方が気に入らず、即座に打ち首にした。秀吉はそんな傲慢な奴だった。

 いかに戦国時代でもやり過ぎで、常軌を逸している。

 しかし、いつ自分の首が切られるかも分らないから、皆が忖度した。誰一人意見を言う者はない。

 (どこかの誰かに似ている状況だ。)

 

 伊達政宗だって、まだ二十台の若造だったし、びびりにびびって二万人も虐殺した。一説では三万人だ。ま、かつての領民を連れて来て入植させるには、元々ここにいた者は不要になる。一挙両得だが、あこぎさでは秀吉に劣らない。

 しかし、秀次も正宗も、九戸一揆が終わる頃には、本当にくたびれていたことだろうと思う。

 これでほっとしたのか、伊達政宗は、秀次を誘って、中尊寺に赴いた。

 この頃はかなり小さくなっていた筈だが、この地には独特の神楽がある。

 二人はこの神楽を見物したのだ。

 微妙な立場同士だったから、おそらく本音を語り合ったと思う。

 四年後に秀次は、危惧していた通り、秀吉に殺されてしまう。

 しかし、歴史は権力を得た者のものだから、秀吉の悪辣な所業は『太閤記』ではすっかり消されている。今では秀吉と言えば、誰もが『太閤記』のキャラを思い浮かべるようになっている。

 そのせいで、偏屈者(私だが)は「自分は秀吉が好き」と言う人に会うと、「コイツは馬鹿か」と思ってしまう。そして、それを態度に出してしまう(快笑)。

 

 今の中尊寺の隣にある白山神社には神楽殿がある。ここに一行だけ「羽柴秀次伊達政宗が神楽を見物した」と書いてある。

 もちろん、この神楽殿で見物したのではないだろうが、この前に立つと、二人が神楽を眺めつつ考えたことは一体どういうことだったのか、と考えさせられる。

 

 ちなみに、中尊寺も強力な霊場のひとつだ。

 私にはさしたる霊感は無いが、この地を訪れる度に写真に煙玉が写る。

 煙玉の大半は自然現象だが、1メートルを超えるサイズのものは、さすがに合理的な説明が見付からない。

 世の中には「霊感がある」「霊能力がある」と自称する人は沢山いるわけだが、この地に行けば、ざらざらと撮影できると思う。もし出なければ、その霊感も私同様に「ただの想像」だ。ま、基本的に「霊感」「第六感」は「気のせい」「想像や妄想」で成り立っている。

 

 画像は元のものを処分してしまい、保存用に縮小したものだけ残っていた。

 そのせいで画質が粗い。