◎才能を失う
レスラーの木村花さんが亡くなった。
最近、ネットで誹謗中傷を受けていたとのこと。
おいおい。木村さんと言えば、母娘二代のレスラーで、彩羽匠やサリーちゃんの次のエースになる選手じゃないか。
お母さんも良いレスラーだったが、この子も将来が楽しみな選手だった。
木村さんはまだ二十二か三だと思うが、普通なら下積みの年齢で、精神的に「まだ打たれ強くなかった」のかもしれん。
ヒールなんだから、「悪口雑言もメシの種」と思えるようになれば、それこそプロなのだが。
ひとは頭の中に悪意を抱えているものだが、外に出さねば何ら問題は無い。
それがスマホやPCの画面は頭脳から数十センチの距離にあるから、衝動的に悪意を吐き出してしまう。
悪意を具体的に「死ね」「消えろ」みたいなかたちで言葉で示してしまう。
そんな言葉を書いた人の今の言い訳はこう。
「俺(私)はたったひと言書いただけ」
「他に自分よりもっと酷いことを書いた人がいる」
みたいに、「自分のせいではない」と思おうとする。
もちろん、法的にも問題になり悪意ある中傷を書いた人には、責任が生じる可能性がある。
ネットには実際のところ、匿名で済ませられることは無いから、書いた本人のことは割と簡単に調べられる。
慌てて消しても無駄だ。
もっと大変なのは、その人(中傷を書いた人)の死後のことだ。
行動にさえ示さねば、生きている人間では問題にならないが、あの世では違う。
悪意を思い描いただけで、総て自分に跳ね返って来る。
「死ね」と大っぴらに書いた人を待っているのは、自身の悪意が創り出す地獄だ。
こっちは何時までも際限なく続く。
少なくとも葬儀に行き、声に出して謝るべきだ。
自分の悪意は自分自身が忘れぬから、放置すれば、死後は何百倍かの悲惨な事態が待っている。
責任を逃れるために隠れたままでいると、「黒いコールタールの海」に囚われてしまう。
自身の振る舞いを反省し、相手に謝り、ご供養を施す必要がある。
将来が楽しみな選手だっただけに残念だ。
合掌。