◎夢の話 第800夜 犬
二十八日の午前四時に観た短い夢です。
「くうん。くうん」という声を聞いて、我に返った。
俺は机に向かい何かをしていたのだが、その机の下から動物の声が聞こえる。
頭を下げ、机の下を覗くと、そこに小型犬が座っていた。
「お前。どこから来たんだよ」
声を掛けると、犬は俺を見上げた。
その犬はプードルと柴犬の間のような風貌をしている。
「俺は動物の毛のアレルギーがあるから、お前はうちの犬じゃない」
はてさて、何でここにいるのか。
じっと犬のことを見詰める。
すると、犬は何だか腹の底に何かを抱えているような眼をしていた。
犬が黙って俺を見詰める。
ここではっと直感が閃いた。
「お前。本当は犬じゃないよな。どこの誰だよ」
俺はそう言って犬を問い質した。
すると犬は俺のことを睨みながら、背筋をすっと伸ばした。
「おお。何だこれは」
俺が見ている前で犬の首がじりじりと伸び、六十㌢くらいの長さになった。
それを見て俺は気付いた。
「うわあ。ここはあの世じゃないか。俺はあの世に入り込んでら」
ここで覚醒。