◎ついにグラム7千円
金価格がついにグラム7千円に到達した。
米中が争っている状態だから、しばらくはこのまま高値安定状態が続く。
二十年以上前に、息子に資産を残してやろうと、1オンス金貨を毎月買っていた時期がある。
当時はクルーガー金貨やパンダ金貨が1オンス5万弱だった。
当時60枚はあったから3百万以上だ。
(もちろん、口にする時には見栄を張り、「百枚はあった」と言う。)
しかしリーマンショックの時に資金繰りに困り、売り払ってしまった。当時はグラム2千円かそこらだったが、今や当時の3倍を超えている。1オンス金貨は15万以上だ。
グラム7千円と聞くと、さすがに頭が痛い。
日本の手頃な判金類で、最も金純度が高いのは元文一分金で、2.15グラムくらいの金含有量だ。
今の買い取り相場で1万3千円くらいの含金量がある。
ま、これを貴金属業者に売りに行くと、「溶かし賃」を2割から3割取られるから、1万円前後になる。
だが、重量をまとめると歩留まり率が上がるから、1キロとか2キロを持ち込めばよい。
古貨幣としての相場は1万数千円になるから、金地金と変わりなくなっている。
むしろ、コイン価格が1万円前後なら、もはや「地金として買い」に向かう方だ。
前にコイン相場でこれが6千円の時に、金地金が8千円を超えたことがある。
「こりゃコイン店で6、7千円だったら買いだな」と東京じゅうのコイン店を回った。
だが、同じことを考える者が必ずいて、安いのは既に買われた後だった。
今は再度、金地金価値が上がっているが、ネットオークションでの売買実績で、今の段階で元文一分金は1万4千円くらいまで来ているようだ。
昔なら田舎のコインショップを回れば、「昔の値段」のままだったりするから、勝負になったが、今、地方にはコインショップ自体が無くなった。
念のため調べてみると、金地金は1オンス当たり1897.50ドル。
日本円で20万弱だった。さらに頭イテ。
経済危機の際には、現金が意味をなさなくなるが、延べ棒では使い勝手が悪い。
そうなると、小回りの利く金貨サイズのものが向いている。
しかし、もはや1オンス20万弱に到達しているなら、ちょっと買えない水準だ。
戦争でも来れば別だが、いずれまた、グラム3、4千円には下がる。
ここは、箪笥から使わなくなったジュエリーを引っ張り出す時だろう。
「売り手市場」に入っているということになる。
古貨幣(金貨)の場合、地金相場とピッタリ連動しているわけではなく、必ずタイムラグがある。この辺は先読みが大切だ。
追記)資産価値としては、グラム7千円(買取価格の方)で計算して構わない。
要するに、1万5千円程度の評価で構わない。
「もし、どこそれに売りに行ったら」という条件がそもそも不適切だった。
そちらは営業利益の話で、そのものの価値ではない。