◎「重症患者が少ないから大丈夫」だと?
毎日、感染者が増えているが、しかし、「重症患者や死者が少ないから、危機を煽らぬ方が良い」と言う人がいる。
びっくりするなあ。明らかに認識不足だ。
今、重症患者や死者が少ないのは、「ウイルスが弱まったため」でも、「対策が成功しているため」でもない。
単純に「今が夏だから」ということだ。
オーストラリアでは、この春には「封じ込め」に成功し、感染者も死者もごく少なかった。実際、日本よりはるかに徹底した隔離対策を取っていた。
ところが、今では感染者が増え、都市がロックダウンされる事態になっている。
これは、南半球では「今が冬で流行期」だからだ。
インフルエンザを見れば分かりよいが、夏期にも患者はいるが、冬期の比ではない。
それは、ウイルスの持つ性質によるもので、「夏期にはあまり活動しなくなる」傾向があるということだ。
それを、「重症者が少ない」「死者が少ない」から「大丈夫」だと見なすのは、非常に危険だと思う。夏と冬では、状況がまったく違うからだ。
今のうちに冬期に備えた手を打って置かないと、9月10月以降は酷いことになる。
コロナ対策は、結局のところ、「検査・隔離・治療」しかない。
しかし、日本ではこの半年の間、さして対策が進んでいるようには見えない。
PCR検査一つとっても、欧米の数十分の一しかやっていない。調べないのに、感染状況が分かるわけがない。
医療体制を始めとし、冬を見据えた準備を今からする必要があるのに、認識が甘すぎる。