日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎親にとっては宝物

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◎親にとっては宝物

 家がすっかりゴミ屋敷になったので、各々が掃除をしている。

 数日前に家人が捨てようとしている物を見ると、なんとダンナが最も大切にしている「宝物」だった。

 左は息子が小2か3の時に「父の日」プレゼントでくれたものだ。小学校の図工の時間に作ったらしい。

 右は長女が小4の時の作品だ。

 いずれも子供たちが作ってから、15年から20年は経っている。

 全部を取り置くわけには行かないだろうが、ひとつ二つは取って置く。

 次女のが無いが、次女のは「乳歯」で、いつも財布に入れている。

 

 ところで、この周りには、銀貨が4カート分(数千枚)あったが、総て知人の地金系リサイクルに売ることにした。

 週明けにはもう渡す手筈だ。

 事前にコインの会を開き、近代銀貨を地金以下の金額で入札掲示してみたのだが、今は地金より高くは売れないことが分かった。

 十年もちまちま売って行くなら別だが、当方にはそんな時間はない。

 今の銀価格は買い取りでグラム百円前後だが、手数料(溶かし賃)の歩合を下げるためには重量をまとめる必要がある。

 こういうのはグロス計算をすれば、どっちが上に来るかは簡単に計算できる。要は統計と確率の話で、これの応用が当方の専門のひとつ。

 コレクターの多くは、このグロス計算が不得手なようで、一枚ずつ「高いの安いの」「良いの悪いの」とグダグダ言う。

 良いのを一枚抜くだけで、他が総て滞貨になったりするから、常に「全体をどうさばくか」を見渡す必要がある。

 

 3、4割近くは地方の金融機関の金庫に眠っていたもので、中には未使用級のものが沢山ある。ここはいつも「手の上のコイン」ばかり見ていると、想像力が働かなくなるらしい。

 知人のリサイクル屋は、おそらく未使用のものをオークションで売り、残りを溶かすと思う。

 今の相場なら当方は銀地金に近ければ御の字だ。確かグラム60円から80円くらいの時に買っている。溶かし賃次第の要素もあるが、やはりコインは枚数をまとめれば条件が良くなる。

 リサイクル屋は通常の買取より買値が高いはずだが、状態の良いものが多いので、利益はかなり出ると思う。

 不思議なのはコレクター心理で、きちんと「金融機関の金庫から出た品」と伝えてあるのに、反応が鈍かったことだ。

 「他に数十キロある」とか「未使用がかなりある筈」とか、想像できなかったのか。

 それとも業者以外から入手した経験が乏しいのか。

 ま、「蔵開け」や「丸ごと買い」に立ち会ったことのある者は、今では少ない。

 それでも、当方のような近代貨にまったく興味の無い者でも、とりあえず「全部なら幾らですか」と訊くと思う。

 そういう機会は望んでもなかなか得られないからだ。

 

 この売り上げは息子の学費になる。

 コレクションよりも、はるかに大切なものがあるということ。

 ま、先が短くなると、いくら物を抱えていてもしょうがないから、死ぬまでに全部を売り切ってゼロにするつもり。

 息子には、「俺が死んだ後で『知り合いでした』と来るヤツは泥棒だから、思い切り下腹を蹴ってやれ。それが遺言だ」と言ってある。