日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K6夜 ウンがつく

◎夢の話 第1K6夜 ウンがつく

 前の夢から覚めた後、トイレに行ったが、戻るとまたすぐに寝入ってしまった。

 これはその時に観た短い夢だ。

 

 随分と長い時間寝ていたようだ。

 頭がはっきりするまで、数分の時間がかかった。

 俺が寝ていたのは、広い野原の中央にある大岩の根元だった。

 岩に背を持たれて座っていたが、そのまま横に倒れ寝入っていたらしい。

 起き上がると、何故か背中が重い。

 手を回して見ると、軽石のようなものを背負っていた。

 「参ったな。いつの間に」

 外そうにも固くて全然外れない。

 

 遠くの方に農場が見えたから、とりあえず俺はそっちに行って見ることにした。

 家の近くまで行くと、浅黒い肌の男が出て来た。

 あれあれ。ここはポリネシアかどこかなのか。

 男は俺の姿を見ると、ニコニコとほほ笑んだ。

 「あなた。ツイてるね。ホニャララ鳥がウンを落としてくれてる」

 「え。ホニャララ鳥って何?」

 「ホニャララ鳥は火を吐く鳥ですよ」

 「火を吐く?『火を食う』じゃないの?」

 ヒクイドリという名前を聞いたことはあるが、実際に火を食うわけじゃなかったよな。

 ま、とりあえず、食うんじゃなく吐くんだからまるで別物だし。

 「ホニャララ鳥は神さまの使いだよ。あなたはこれからお金持ちになれる」

 

 「でもとりあえず、背中のヤツを落とさないと」

 鳥のウンチなわけだし。

 「鋸かチェーンソーがないと切れないね。切ってあげようか?」

 「ああ。これじゃあ、ホテルにも帰れんからね」

 「でも、お駄賃にその欠片を少し貰えないかな」

 「こんなヤツを?鳥のウンチなんだろ」

 「香水の原料になるから、もの凄く高い値段で売れますよ。とりあえずあなたがこれを売れば、二三年は遊んで暮らせる」

 ふうん。麝香なんかと同じなのか。それじゃあ、まさに贈り物だ。

 「ウンチなんだから一キロでも二キロでもやるよ」

 すると、男は慌てて手を左右に振った。

 「ちょっとだけでいいです。ホニャララ鳥が運を落としたのはあなたへだから、それを横取りすると、神の怒りを買ってしまう」

 「そっか。じゃあ、欲しいくらいやるから、とりあえずこれを切ってくれ」

 

 男は作業小屋のようなところに入って行ったが、やがて鋸とドリルのような機会を持って戻って来た。

 「とりあえず肩のところを切ってみて、上手く切れぬようならこっちで」

 男はランドセルの肩掛けのように繋がった箇所を鋸で切り始めた。

 その音を聞きながら、俺は考えた。

 「コイツは絶対夢だよな。俺は夢を観ているわけだ。でも、もの凄く良い夢の筈だ。夢に出るウンチはお金や財運の象徴だ。それが天から降って来て俺の背中に降りたわけだし」

 神の使いなんだから疑いはないし、もし疑ったら来る筈の財運も来なくなる。

 必ず「良くなる」と信じなくては。

 ここで覚醒。