日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎古貨幣迷宮事件簿 「七福神銭ほど面白い絵銭はない」(その4)

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◎古貨幣迷宮事件簿 「七福神銭ほど面白い絵銭はない」(その4)

 ありふれた銭種に見え、種類はあるのだが、殆どの収集家が気に留めない。

 こんな楽しい収集対象があるのだろうか。

 北奥の各地で七福神銭が見つかるわけだが、中には珍しく、かつ風格のある品がある。

 この大型七福神銭もそのひとつだ。

 当たり前だが、都市部では「こんな感じの品がある」とさらりと出すだけで、詳細は語らなかった。耳目を集めてしまうと、人々の関心を惹き、集め難くなる。

 そんな小さい考えからだ。私もコレクターで、「ケツの穴が寛永銭のサイズしかない」。

 だが、そんな算段は無用だった。

 宮城・岩手・秋田では発見例を聞いたことがあるのだが、それより南では絶えて聞かぬ。たぶん西日本はおろか江戸までも到達しなかったのではあるまいか。

 割と古い時代から作られていたようだが、何せ存在数が少ないから、枚数が集まらない。三十年近く掛かり、ようやくこれだけだ。

 ひたすら鉄銭を探したのだが、ついぞ見付からなかった。

 鉄銭が重要な理由は、その存在をもって、起源を「幕末明治初年頃」に遡って特定出来る。これまで南部銭の旧譜には掲載されてこなかったのだが、それもその筈で、当品の出自は仙台領になる。

 

 せっかく収集家宅を一人ひとり訪ね歩いて譲って貰った品だが、もはや私にとっては無用の品となりつつある。

 引き継ぐ者が居れば、その人に渡そうと思うが、値段があるから手を挙げる人が出るかどうか。

 一枚か二枚持っている人はいるが、変化型まで揃ったコレクションはこれまで聞いたことが無い。

 今日は既に疲れたので解説は無し。

 

 ネットではサイズが分からなかったりするので、よくよく注意してみる必要がある。

 中型や小型とは意匠が違うので、そこに着目すれば入手出来るかもしれぬ。

 もちろん、出ていれば、の話だ。過去には一度しか出たことがないのではないか。

 仮に入手出来れば、あまり知られていない「お宝」のひとつになる。