日刊早坂ノボル新聞

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◎「ビビる(怖れる)」ことの効果

「ビビる(怖れる)」ことの効果

 昨日、シャワーを浴びた後、洗面所に出たら、何かがウンウン唸っている。

 洗面台の棚の上だ。

 そこを改めると、シェーバーが勝手に動き出し、音を立てていた。

 ええええ。

 髭剃り機のスイッチは割と深く押し込まぬと入らないよな。

 当方は髭を伸ばしているので、十日に一度しか刈り込まない。

 置きっぱなしにしている。

 その機械に自然にスイッチが入ったりするのか?

 

 だが、よく考えると、洗面所だから、普段から湿っぽい上に、今は梅雨時でさらに湿度が高い。

 接触が悪くなっていて、電源がショートした可能性はある。

 とりあえずこう考えると、気持ちが落ち着く。

 

 こういうのは、頭の中に「そんなことが起こるわけがない」という固定観念があれば、なんということもないひとコマだ。

 「たまたま」だし、「気のせい」だ。

 

 だが、「家族の中で独り自分だけが、階段を上り下りしようとすると、途中で照明が消える」、「テーブルに置いたスマホが勝手に声を出す」みたいなことが起きた後だと、つい「また何かあるのか?」と思ってしまう。

 体調の著しい悪化とリンクしていただけに、ついつい「悪縁のしわざか?」と不都合を結び付けて考えてしまうようになる。

 この思考回路が最もダメな展開で、「怖れを抱く」のは、悪縁を呼び寄せる最も簡単な方法だ。

 気にせず「軽くスルー」していると、現実に何も起きなくなる。

 「障りを想定しない者には、祟りは来ない」という言葉の通りだと思う。

 

 さて、叔母と従妹がアパートを探しに行った時の話だ。

 ある空室を見せて貰った。

 それほど古びていないし、間取りも広いのだが、何故か家賃が安い。

 従妹が「ここにしよう」と言い、決まるところだったのだが、叔母が奥の部屋に入ると、何となく胸騒ぎがする。

 とりわけ、押し入れが不快だ。

 不動産屋が開けて見せるが、中には何もない。

 だがどうしても居心地が悪いので、その部屋の契約を見合わせた。

 後で調べると、そこはいわゆる事故物件で、「夫が妻を殺し、押し入れに隠していた」という事件が起きた場所だった。

 この話を聞いた当方はこう答えた。

 「なあんだ。相場の半値以下ならそこを借りればよかったのに」

 叔母が住まず、従妹だけが暮らす分には、一切何も起きない筈だ。

 これはまだ事故物件の告知が法制化される前のことで、数十年前の出来事になる。

 当方がよく引き合いに出す言葉がここでも当て嵌まる。

 「聞く耳の無いところに音は存在しない」

 従妹にとっては幽霊など存在しないし、また実際にその部屋に移り住んでも、従妹の前には一切出て来ぬと思う。

 

 なお、「怖れぬ」ことは「畏れぬ」こととは違うので念のため。

 神仏や死者に敬意を払わぬ者には、無条件で「相応の報い」がある。神域・霊域を汚したり、墓を荒らしたりはせぬことだ。スポットの探検もやめておけ。