◎古貨幣迷宮事件簿 「雑銭資料の整理処分」
書庫の整理を始めたはよいが、自宅と郷里の倉庫を合わせて何千冊あるか分からない。ま、大半を廃棄処分にするとして、他の人が使えそうなものを売却することにした。
書庫やケースの中を検めると、紙類だけでなく雑銭の類も入っている。
十五年かかって処分し続けて来たわけだが、まだあったのか。ほとほとウンザリ。
悟りを開き、現世の諸々への興味を失った今となっては、もはや無用のものだ。
ま、地方の古銭会なり知人なりに渡せばよいのだが、それも手間がかかる。ネットオークションはすそ野が広く、最初から説明を入れる必要がある(面倒)。
今は金属全般の値が強いから、銀貨と同じように地金で売却するのも手だ。銀はもちろん、銅もニッケルもコイン相場よりは高い。
しかしま、とりあえず幾つかは様子見で、処分掲示してみることにした。
自前で処分するのが、最も時間と手間がかからない。これで詰まるようなら、次はない。
南部コインズOさんの教えのひとつは「日頃よりきちんと付き合うこと」ということだったが、なるほど、そういうのはこういう時に生きて来る。
よく知らん人や、愛想の悪い相手にサービスをする者はおらず、過去の付き合いを振り返って、「お互いさま」のやり取りがあった相手だけに便宜を図る。
逆の立場になり、初めて「なるほど」と納得する。



