日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎フィリピンに蝉はいない

フィリピンに蝉はいない

 家人が庭で何かを拾って来た。

 「珍しい虫を見付けた。蜂かな」

 テーブルの上の虫を見ると、蝉の抜け殻だった。

 「こりゃ蝉の抜け殻じゃねーか」

 「でも、羽が無いよ」

 「そりゃ幼虫だもの。ここから抜け出た時には柔らかい羽根がついていて、一二時間のうちにそれが羽になる」

 家人はその抜け殻がよほど珍しいらしく、スマホで撮影していた。

 

 「もしやオメー。蝉の抜け殻を見たことがないのか?母さんの田舎にだって蝉はいるだろうに 」

 「私は都会で育ったから知らない」

 このヤロー。何だか腹が立つ。

 

 念のため調べたが、フィリピン在住の日本人のブログに「この国で蝉を見たことがない」と書いていた。

 アブラゼミとかミンミンゼミみたいなのは成虫も幼虫も見たことが無いし、「鳴かない」とのこと。

 ただ、蝉自体はいるらしく「シー・シー」という声が聞こえるそうだ。「シー・シー」なら日暮らしだな(確か)。だが、日本の日暮しも小さいが、それよりもフィリピンのはずっと小さいそうだ。

 そう言えば、網戸に蝉がたかると、家人は「ゴキブリが来た」と騒いでいたっけな。実際に見たことが無かったわけだ。

 「当たり前だ」と思っていることは、立場を変えると当たり前ではないようだ。

 

 フィリピンの小型の蝉なら、きっと仲良くなれる。

 こっちもその日暮らしだもの。

 ちょっとオチが強引だが、小さいことは気にするな。

 追記)蝉で鳴くのはオスだけ。人間でもすぐに泣くのは男の方だ。