日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K61夜 山津波

夢の話 第1K61夜 山津波

 二十八日の午前三時に観た夢です。

 

 豪雨が三週間に渡って降り注ぎ、多くの国土を押し流した。

 ようやく晴れ間が出ると、今度はカンカン照りに。

 乾燥してみると、山や田畑が崩れ、地中にあったものが地表に出ていた。

 ここで人々の注目を集めたのが金剛山だ。(実在のそれではない。)

 金剛山は山の三分の一くらいが崩れていたが、そこには石英の大鉱脈が露出していた。

 そのニュースが広まると、すぐに多くの人が金剛山を目指した。

 石英の鉱脈には、金が含まれていることがあるためだ。

 実際に幾人かが「金を掘り出した」ニュースがメディアに出ると、麓の数キロ手前から車が道路に数珠繋ぎに停められた。

 麓には数千人の「欲に眼がくらんだ人たち」が取りついた。

 俺は何の気なしに見物に行ったのだが、渋滞の列に嵌ってしまったので、見物を止めて戻ることも出来ず、崩れた山斜面の一角に車を停めた。

 山肌には、千人を超える人が取りついて、土を掘っている。

 土は乾燥し切っているから、硬く固まっている。かなりの重労働だ。

 そのせいか、些細なことで騒動が起き、あちこちで怒号が渦巻いていた。

 殴り合いのケンカを見て、「あさましいな」と思ったが、この地を見物に来た俺だって、頭のどこかには欲があったから、大して違いはない。

 

 ここで、ふと横を向くと、先ほどの山斜面に車数百台がきちきちに停められていた。俺の車のその中だ。

 「方向転換すら出来ぬから、どうやって車を出そう」

 少しく思案させられた。

 

 この時、俺の後ろに何時の間にか男が近づいていた。

 男は俺の背後から呟くように言った。

 「いずれにせよ、この場所は早く離れた方がいいと思うね。ほら」

 男が指差した先は上空で、空には雲が渦巻いていた。

 深く暗い雨雲だった。

 「ありゃ、雨が降るのか。それじゃあ、ここはヤバイよな」

 山崩れの跡だし、地盤がもろい。雨が来れば、また崩れる。

 俺の頭の中で、濁流に車や人が流されるイメージが膨らんだ。

 

 「不味いな。とっととここを離れた方が良さそうだ」

 だが、車を出すには、前後の車を押しやるしか手は無さそうだ。

 頭上で「ごろごろ」と雷が鳴る。

 「車どころか、すぐに走って逃げた方がいいかもしれんな」

 今なら1キロ先くらいまでは行ける。

 

 雨がぽつりぽつりと体に当たる。

 気が付くと、さっきの男は姿を消していた。

 ここで覚醒。

 

 「あの世友だち」が「祟りの雨を降らす」と言っていたのは、この十月からだ。何が起きるのかは知らない。

 天変地異なのか、あるいは戦争など人事のことなのかさえも分からない。

 だが、それが「一部のひとを選んで拳を振り下ろす」という理不尽なやり方だということは分かる。

 あの世での最大の罪は「嘘や欺瞞」だから、この先はとにかく正直に暮らすのが良さそうだ。自分を正当化するために小理屈をこねるのもダメだ。

 

 夢の「男」(たぶんアモン)は常々、「ソドムとゴモラ」を口にしていた。「ソドム」は「ソウル」だというのは容易に想像がつく。この世の嘘つきの巣窟だから、雷を落とす対象にはなりそうだ。

 一方、「ゴモラ」が何を指すのかが分からぬのだが、まさかこっちじゃないだろうな。ゴモラと言えばウルトラ怪獣だ。おいおい。

 こんなのはまるで「気の触れた者の語る世迷いごと」だが、悪魔アモンは現実に存在している。

 幽霊も同じで、実際にはっきりと見るまでは信じられぬ話なのだが、繰り返し実際に見てしまえば、そこから先は「現実の一端」になる。

 この世の理屈など何ひとつ通用しないし、宗教の語る世界観など「単なる想像」に過ぎぬ。助けてはくれない。

 私はこの一年で散々思い知らされた。