◎夢の話 第1K81夜 アナコンダと猫
十七日の朝、家族を駅まで送り出した後にMLBを見ながら眠りに落ちていた。
これはその時に観た夢だ。
渓流の流れが余りにもきれいだったので、岩に腰を下ろしはだしになって足先を浸してみた。
冷たくて気持ちが良い。
心が洗われるよう。
しばらくボケッとしていたが、ふと流れの中を覗き込むと、何か焦げ茶色のものが見えた。
「ありゃ、あいつは蛇だ」
しかもアナコンダみたいなデカい蛇だ。
足先からほんの五六十㌢のところに蛇の頭が見える。
あれでは、足に食いつかれるどころか、丸のみにされてしまうかもしれん。
慌てて足先を水から出し、岸に上がった。
「なんでこんなところにあんなでかい蛇がいるんだよ」
もう一度蛇を見る。
すると、蛇の周りには何かピンポン玉くらいのサイズの玉が沢山落ちていた。
少し考えさせられたが、たぶん、あれは卵だ。
表面の色がオレンジ色で、まるででっかいイクラのようだ。
「ありゃもしかすると食えるかもしれん」
そんなことを思うほど鮮やかなオレンジ色だった。
ここで頭の中の半分起きている部分が囁く。
「この国にアナコンダはいない。俺は夢を観ているのだ」
となると、蛇は幸運の象徴だから、きっと吉夢だな。
卵の色がオレンジ色だってのは気になるが、だが美味そうなので警告ではないだろ。
ちなみに、鮮紅色みたいなのは、多くが警告の意味だ。
ま、警告されなくとも、コロナ以後、金運は死んでいたから、今より悪くはならない。
開運の方だな。
ここで一旦深い眠りに入り、闇の中に堕ちる。
次に現れた情景は、自分がソファに座っているところだった。
ソファに腰を下ろし、何か布袋のようなものを抱えている。
その布袋はもぞもぞと動いていた。
「何これ」
口を開くと、袋の中には子猫たちが五六匹入っていた。
捨て猫でも拾って来たのか。
口が開いたので、猫たちが喜び、俺の腕にじゃれつく。
ごろごろと喉を鳴らし、俺にまとわりついた。
「おいおい。俺は柔毛アレルギーなんだよ」
俺が心と接触を許したのは、神社猫のトラだけだ。
困り果てるが、放り出すわけにもいかず、とりあえず猫をあやした。
すると、猫たちは調子に乗って、俺の胸や肩にしがみつく。
「おいおい、これじゃあ、日頃俺に付きまとう幽霊たちと同じじゃないか」
こいつらをどうにかしないとな。
思案しつつ覚醒。
前半の蛇はやはり吉夢で、これから運気が上昇するという解釈でよいと思う。
何故なら、この数年は最低の状態で「今より下るとすれば死ぬしかない」からだ。
だが、死ぬならむしろ今生の雑用からは解放されるから、別に問題はない。
後半の猫は、人間関係の象徴であることが多く、とりわけ男の観る「猫の夢」は女性に対する意識が反映されるようだ。
これがただひたすら「煩わしい」と感じるだけなので、当方はもはや「異性関係は卒業だ」と思うようになっているということかもしれん。
ま、夢はただの記憶の整理箱で、それ自体にはあまり意味はない。何かしらのメッセージがある場合があるが、その時にははっきりした示唆がある。そういうのとは違うから、気に留める必要もないと思う。ただ目の前の現実をこなすだけ。