日刊早坂ノボル新聞

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◎「墜落する飛行機」 6/9 今週はエプソムカップ

「墜落する飛行機」 6/9 今週はエプソムカップ

 解題すると「馬券購入は墜落する飛行機に乗るのに似ている。もし客全体の持つタネ銭を100とし、1レースから12レースまで総て買うとする。12レースが終わった時に客側の手に残るのは3㌫だけだ」。それなら客の多くは負けるということ。実際競馬場に行く客の八九割はマイナス成績で帰る。「飛行機は必ず墜落するが、その中で椅子取りゲームをするのが馬券購入」ということ。

 よりよい椅子を取り、ファーストクラスの食事を楽しんだら、飛行機が墜落する前にパラシュートで抜け出すのが最善の選択だ。ともあれ、「外れる」のはむしろ前提になる。その中でささっと椅子を取る方法が見付かるかどうかを検討する。以上は冒頭固定の前置き。

 さてまずは前回の反省から。

 先週の安田記念では、事前にゴール前の夢を観ていた。リアルな夢でゼッケンや馬の様子がはっきり見えた。

 こういうケースでは、事前に結果を予告するもの、要するに「予知夢」であることがよくあるので、かなり悩まされた。

 この手のを送って来る者は善意で教えてくれようとしているわけではなく、半ばはゲーム感覚で私を試そうとする意図による。

 よって、殆どの場合、正確なのは五割から七割で、残りの部分は推理で補う必要がある。

 また、夢の情景はゴール前数十㍍のことが多く、あと数十㍍で別馬に差されることがある。

 あやふやなのだが、一方で斬もつ悪いほど現実に合致する部分もある。

 過去の話を詳述しても仕方がないので結果だけ記すと、夢の内容は一着がジャックドール、二着が牝馬、三着がガイアフォースもしくは白っぽい馬だった。

 レース前日に枠番を見ると、ジャックド―ルが夢と同じに枠三番、三着になる筈のガイアフォースが夢では三枠五番だったが、実際には四枠七番だった。葦毛か白毛に見えたが、現実のレースでは三枠五番が白毛のソダシ。

 事前に予見した内容は、ぴったり一致してはいないのだが、殆ど位置が合っている。

 そこで、基本は夢に従い、次は着順を入れ替えて買い直した。

 結果は1着が牝馬のソングラインで良かったが、ガイアフォースが四着、軸のジャックドールが五着だった。

 何だかいつもよりずれが大きいので、「最初から俺を嵌めるつもりだったのか」と感じたが、何のことはなく、コロナに感染し、具合の悪いさなかに参戦したので「勘が鈍っていた」ということだった。ま、中心が四着五着と言うところを見ると、ネタの送り手が「からかってやろう」と思っていたのは疑いなし。

 前回は悪魔アモンさまにしてやられたようだ。

 ま、コロナに感染し、立っていられぬほど具合が悪かったのだから、「そんな時は競馬など止めとけ」ということ。

 

 さて、今週の府中メインはエプソムカップだ。

 このレースには懐かしい思い出がある。

 第11回のこのレースの当日の朝、家人が目を覚ますと即座に「今日は競馬(の馬券)を買って」と言った。

 家人によると、夢の中に「2」と「3」という数字が出て来たのだそうだ。二つの数字の組み合わせなら、競馬くらいしか思い浮かばぬので、競馬好きのダンナに「買って」と伝えたわけだ。

 当時は「日本最小のシンクタンク」の経営者だったから、休日も出勤していた。役所の安い調査事業を受けており、土日も原則出勤だ。

 だが、家人に「買って」と言われたので、昼休みを利用して後楽園の場外まで買いに行くことにした。

 マークシートに印を付けていると、事務のチナミちゃんが「今週も馬券を買いに行くんですか?」と訊いて来た。

 「ああそうだよ。女房が夢を観たのでそれに乗るんだよ。俺たち夫婦は両方とも勘が鋭いからな。この買い目は案外イケてるとダンナの俺も感じる」

 するとチナミちゃんは「せっかくなので私も乗って良いですか。後楽園には私が行きます」と言う。

 この娘が何故そんな風に考えたのかと言うと、前の週にもメインレースの馬券を会社の者で買っのだたが、私の直感馬券が本命対抗で選んだその通りの順に五頭が入選したという出来事を見ていたことによる。

 「今週は私も買います」

 それを傍で聞いていたチエちゃんというバイトが「私も」と同じ買い目を買うことにした。

 「でも、その2ー3は枠番なのかな。馬番なのかな」

 三人で首を捻った。

 実際には勝負の分かれ目はここだった。

 私は「馬連の方が配当が高い」と考え、馬連を一点だけ百枚買うことにした。

 あくまで夢の話なので、そこまで真剣に考えても仕方がない。

 昼休みになり、三人のマークシートを持って、チナミちゃんが出発。小一時間ほどで馬券を持って帰って来た。

 その後、レース発走時刻になりラジオで中継を聞いた。

 レースがワコーチカコの勝利で決着すると、私とチナミちゃんはその場に倒れそうになった。

 一着が三枠四番ワコーチカコ、二着が二枠二番のキョウエイキーマンだった。要は枠連が2-3で、馬連は2-4だ。

 私とチナミちゃんは、欲の皮を突っ張らかして馬連の2-3だけを一点勝負していたのだった。

 枠連で八十倍近く、馬連は百七十倍の馬券だ。私は百枚だから、八十万弱か百七十万をフイにした。

 独り大喜びをしていたのはチエちゃんだ。チエちゃんは競馬に疎く、昔流儀で「枠で買うもの」だと思っていたのだった。

 この娘は十枚千円だけ買ったのだが、これが八万近くになり、「小遣いが出来た」と、翌週は会社を休んで仙台に遊びに行った。オイオイ。

 この時のしくじりはたった一つで、「念のため、枠連馬連の両方とも買って置こう」と考えなかったことだ。

 その後も同じような経験が幾度もあったので、今なら「枠連を想定し、その場合の馬連をシフトして追加」したと思う。

 想像する以上に、直感の精度が高いので、まずは信じることから。送られる情報の五割から七割は真実であることが殆どだ。

 

 思い出話が長くなったが、さて今週はそのエプソムカップだ。

 人気の中心は、ダービー卿CTで上位だったインダストリア、ジャスティンカフェと、オープン勝ちのレインフロムヘブンあたり。

 調教でよく走っていたのは、エアロロノア、エアファンディタあたり。

 だが、終末は雨で、かなり紛れがありそうだ。

 自分なりに筋を立て、取捨選択すればよい。

 だが今回、必ず買うべきは、たぶん、下位人気になるであろうラストドラフトだ。

 穴狙いの基本は「変なヤツを狙う」。

 ラストドラフトは、前走が目黒記念(十七着)で、中一週のレース間隔だ。前走が二千五百で、今回が千八百。

 おかしくねーか?

 答えは数点に絞られる。

 「前走は重馬場だったこともあり、途中でレースを止めた」

 「馬のデキ落ちは無い」

 「二千五百は長かった」

 昨秋くらいから、調教の出来は上がって来ており、あとは「いつ走るのか」という段階だった。馬は七歳だが、まだ使い減りしておらず、五走前の昨秋にはきちんと馬券になっている(二着)。

 ま、そろそろ走り頃だ。

 府中だし、八枠なら「外差し」が決まっても不思議ではない。最大の障害は雨で差し脚が効かなくなること。これは目黒記念の展開が如実に示している。

 

 もちろん、ラストドラフトはまだ来ない可能性の方が高く、いまだ「先物買い」かもしれんが、三連のヒモには入れて置くべきだ。

 私は頭(単勝)から全馬券種にラストドラフトを交えて買う。

 今回は来ない可能性の方が高そうだが、一度来てしまうと次は人気が上がってしまう。

 勝負を賭けるのは、今回か次回くらいだと思う。

 もし仮に壺に嵌るのが今回なら、五十枚百枚が簡単に「帯」に化ける。

 馬券を買う者の八割九割はタネ銭をスッてしまう。

 どうせスッてしまうなら、的中しても高校生の小遣い程度のアガリしか見込めぬ馬券を買うよりも、「帯」の目のあるレースを選び、当たれば「帯」に到達するように買うべきだ。

 結論は「来ても来なくてもラストドラフトから」ということに尽きる。