日刊早坂ノボル新聞

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◎病棟日誌 6/27 「自分に憑いた霊を確認する方法」

病棟日誌 6/27 「自分に憑いた霊を確認する方法」

 何だか、日一日と具合が悪くなって行く感じがする。感染の影響だろうが、後遺症の方がキツいし長い。まともに歩けぬ日の方が多い。

 この人の担当はウエキさんという五十台の女性だ。

 「きちんと食べなくてはダメですよ」

 「体がだるいからなあ」

 「では栄養ドリンク出しますか?」

 「いや自分で買うよ。薬ならともかく補助食品だからね。ドラッグで買えば済む」

 「あれだと保険が利かないから割高ですよ。この世に自分から保険証を出さずに、『全部自分で持つ』という人はいません。保険料を払っているのだから、きちんと適用を受けるべきです」

 腎臓病で透析治療を受けると、「とかく高額な医療費」というイメージあるが、あれは実際とは違う。

 月間三十万掛かるわけだが、それは医療費総額の話で、受診者側では一割負担の「三万」の経済規模だ。

 それなら、普通の中高年で月間一万から三万の医療費を払う人とそんなに違いがあるわけではない。腎臓を壊す前にもそのくらいの病院代は払っていた。

 それに、腎臓が悪くなるのはほぼ「終末期」で、先は短い。

 五年生きる人は僅か。

 殆どの中高年はこの病棟に来ると、数か月から二年くらいで去って行く。行き先はあの世だ。

 この病棟でも数百人の新規患者が来て、五年生きているのは四人だけ。十年以上は一人だけだ。

 ある医師が言っていたが、要は「死ぬまでの医療費を考えると、どの病気も大差はない」。

 でも、見た目のイメージは報道によって作られる。

 そういうイメージは差別の根拠になりがちだ。

 それがむかつくので、極力「自分で払う」習慣になっている。

 重篤な病気だと、障害者扱いになり、一割負担なのだが、当方はずっとそれを払って来た。

 申請すると福祉から還付されるのだが、コロナの三年の間には収入が激減したから、さすがに還付請求をした。

 収入が減った理由で、コロナ特別手当をもらった人がいると思うが、自由業については対象外だった。

 

 てなことをくつくつ考えていると、ウエキさんが断を下す。

 「いいから持って行くこと。具合が悪くなったら困るでしょ!」

 おいおい。五十歳かそこらの女性まで、母親かお姉ちゃんみたいな口調になってら。

 「はいはい。分かりました」

 大人しく従う。

 

 この日の担当医は三十台くらいの女医だ。

 「専門医の診察を受けろ」とか、色々助言してくれるのだが、この日は「漢方薬」。

 「人によっては改善されることもありますよ」

 うーん。もう薬はお腹いっぱいだな。

 「なるべく自力で対応しますから」と答えた。

 ま、出来る範囲までで、期限はあと一二週間。

 

 この日の穿刺当番は在日のキム君。

 何となくしょんぼりしているのでこちらから声を掛けた。

 「最近の調子はどうなの?」

 「まあまあです」

 イマイチってことだな。

 看護師になり、すぐにコロナで三年過ごしたから、ほとんど職場とアパートの往復だけ。

 そのためか、一度も感染しなかった。

 

 他の看護師は殆ど感染経験がある。患者の傍にいるから感染機会が多くなり、ロビーでうつってしまう。

 「実は感染していたが、気付かなかっただけかもよ」

 体内に取り込んでも発症しない人もいる。

 趣味はスノーボードだが、この三年は殆ど出来なかった。

 そもそも、その前は節約のため「弾丸日程」で、ホテルや旅館に泊まったりもしなかったらしい。

 「そりゃ勿体ないね。関東のスキー場の傍には、混浴温泉が沢山ある。冬のスキーシーズンにそんなところに行けば、露天風呂が若いお姉ちゃんで一杯だよ」

 「もう働いているのだから、少し贅沢をすることにします」

 「混浴はともかく、その土地の美味しい料理を食べなくてはね」

 山梨でも長野でも、いいところは沢山ある。

 

 と話をして、盛岡の繋温泉で割と大きな旅館に泊まった時のことを思い出した。

 その旅館の温泉は男風呂と女風呂が昼夜交代制になっていたが、入り口がすぐ隣で紛らわしい。

 深夜一時頃に、風呂に行き、上がる段になり、タオルを下げフリチンで外に出ようとして、浴場のガラス戸を引き開けた。

 すると、目の前には素っ裸の二十三四の女性が、これも素っ裸で立っていた。

 「きゃあ」と声を上げ、女性が後ろの方に走る。

 えええ。俺は間違ってはいない筈だが、何だか「女風呂に忍び込む変態」みたいな扱いになってら。

 だが、中にも客がいたが、皆男だった。

 間違ったのはその女性の方だ。

 女性はタオルで体の多くを隠していたが、こっちは完全にフリチンだった。

 おいおい。差し引き帳尻が合わねえぞ(違うか)。

 

 当方は韓国人を骨の髄から憎んでいる。数十年前に半島から出張で働きに来た強盗団の被害に遭ったことがあるせいだ。この穴埋めのため、十年間くらいを棒に振った。

 「ああ、早く朝鮮半島に爆弾が落ちて欲しい。キム・ジョンウンにもし根性があるならブラフだけでないところをみせろよな」

 被害者が加害者の周辺を憎むのは普通で当たり前のことだから、当方はこれを隠さない。韓国はいずれ滅びるだろうが、当方の生きている間に滅びてくれ。

 だが、よく考えると、看護師のキム君は日本で生まれて日本で育ち。日本風の教育を受けているから、日本人と変わりない。

 この世の地獄とは『朝鮮半島で生まれ育つこと』が世界共通の認識らしい。だが、このキム君にその経験は無さそうで、最近は割と仲良く話をするようになった。

 ブラックジョークを言うと、真面目に凹むところがあるので、「悪意による意図はないぞ。気にするな」と足すほどだ。

 人間(じんかん)で揉まれていない者だと、ブラックジョークやブラフひとつですぐに腹を立てるのだが、この子はそんなところはない。その意味でも少し応援することにした。

 

 ところで「世慣れていないヤツ」の典型的な例が岸田総理だ。

 何から何まで「筋目が分かっていない」。だからダラダラで、「何をどこまでやって良いのか悪いのか」の考えが浅い。

 ずっと苦労なくいい暮らしをして来た者の典型的な例だ。それでいて気位だけは高くて、すぐに腹を立てる。

 コイツは日韓スワップを再開させる流れの中にいる。

 円安で苦労しているのは、下級国民だ。物価高で給料が上がるのは大企業だけ。何故なら輸出産業は円安のおかげで「史上最高益」を出している。トヨタしかりソニーしかり。

 物価が毎年3%上がるくらいなら、政府負債がそれだけ縮小するのと同じ意味になるので、事実上国が円安を容認している。

 だが、輸出と関係ない国民には増税と物価高がのしかかる。

 これで日韓スワップを再開したら、韓国人は「トイレットペーパーにも使えぬウォン」を押し付け、円に替える。

 結果的に円が世界市場に流出することになり、益々円安の流れとなる。

 こんなことは経済を知らぬ下級国民でも容易に分かる。

 岸田は「相変わらずそんなことも分からぬ」というより、大企業の目先の利益を優先するヤツで、安倍さんより数段格下の政治家だと思う。

 

 ま、最大野党よりもまし。(何という政党名だかも忘れた。存在感無し。)

こいつらは自分の周りの数パセントの人だけを相手にしている。結果的に国政がまるで健全化しない。次は二%だな、こりゃ。

 

 ああ、早く呪詛のやり方を覚えねば。

 現実に一揆を起こしたら、自分の手で人を殺さねばならなくなるわけだが、「呪い殺す」のであれば無罪だ。そういうものは存在しないことになっている。

 

 とまあ、病院のベッドは退屈なので、良からぬことを考える時間がたっぷりあった。

 ちなみに、この日の帰りに、「自分の後ろにいる霊を確認する方法」を思い出した。

 確か、英国の心霊術師だったかがかたっていたことではなかったか(不確か)。

 「自分の後ろにいる霊を確認する」には、「日没間際の沈みゆく太陽の光を浴びつつ、肩越しに後ろを振り返る」方法だ。

 左側には「貴方に取り憑いている悪霊」が、右側には「貴方を守ってくれる仲間の霊」が立っている

 頗る「理に適っている」と思うのは、「陰り行く光」に自分をかざしてみることだ。

 陽光の成分には、霊を見難くする光と、霊を映し出す光の双方があり、可視域の光は前者だ。よって、「日没間際の光」とは、光を選択的に反射して返すガラス面と同じような効果がある。

 ま、かなり昔読んだことなので不確かで、私流の解釈が混じり込んでいるかもしれん。

 

 今は椅子に座れるのも二十分だけ。

 あとは殆ど寝たり起きたりだ。

 体調が悪いせいで、心の中が怨念や怨嗟に満ちている。

 いつもアモンの所在を感じるのはそのためだろうと思う。

 

 仕方なくスマホで麻雀ゲームをやるが、相手の三人は一日に三十万ずつ負ける。もはや一人に三百万ずつ貸しがある。

 借金取りの口の利き方がぞんざいになるのは、借りた側が返す素振りも無いから当たり前だ。

 「マナーは悪いわ、暗黙のルールを知らねーわ、小細工しか知らねーわ。金は持って来ねーわなら、少しは済まなそうな顔をしろよな。あああん」

 ああ、もうどうにかして。ゲームするのももうウンザリ。

 

 この絶望の日々はまだ暫く続く。

 頭の中が怒りや呪いで一杯なので、ホラー小説のネタをすぐに思い付く。百枚すら書く余力がないが、五六十枚ずつなら書けるかもしれん。

 本物が指導するから、自分でもかなり怖い。