◎夢の話 第1137夜 蝕まれる
三日の午前2時に観た夢です。
仰向けになり天井を見ている。
悪夢を観たが、どんな夢かを語るのも憚られるような内容だった。例えて言えば、死霊の中にいて、どうやってここから抜け出すかを思案するような話だ。
だが、途中で「夢を観ている」ことに気付き、その夢を強制終了した。
ここで自分の今の状態を考えた。
「この家に住むようになってから、十五年くらいは、深夜に玄関のドアを叩く音を聞かされた」
「その後数年間は、カウンターの陰に立つ人影に悩まされた」
「今は、その人影はすぐ隣に立っている」
おまけに、知性の働かぬ就眠中には、何十何百の手が全身に貼り付いて、小刻みに体を揺する。
ああ、俺は今も数十万の亡者の群れの中にいるのだ。
それが証拠に、俺は何ひとつ希望を感じぬようになった。
多くの手に揺すられ、ゆっくりと覚醒。
目覚めて、天井を見ている「俺」も夢の中だった。
要は二段構えの夢だったということ。
後味の悪い夢で、少しずつ心が蝕まれて行く感じがする。
果てしなく長く続く夢だったが、目覚めてみると、ほんの一時間しか眠っていない。それほど不快だったわけだ。
もっと不快なのは、目覚めても、体のあちこちを触られている感覚があること。
昨日、スマホから響く声を聞いてからは、さらに顕著になった。
私は今のこんな状況を果たして乗り越えられるのか。