◎病棟日誌 R060815 年寄りは暑さを感じないらしい
今日は普通に病院が営業していた。
お盆休みはなかったんだな。
事前問診はユキコさん。
ユキコさんにもお稚児さまが見えるらしいので、本院尿のを差し上げた。
「台風が来て、道路から畑に落ちそうになってもたぶん助かります。鍵に付けて」
この日は栄養指導があり、ベッド際に栄養士さんが来た。
話好きなのか、いつも30分近く話していく。
途中で熱中症の話になった。
ふと思いついたことを訊く。
「高齢者が夜中にエアコンを点けずにいて、熱中症で死ぬことが時々ありますが、電気代をケチって死んだら元も子もない」
だが、実情は少し違うそうだ。
電気代を節約して細目に消すというのはあるけれど、夜中に死ぬケースでは、「高齢になり暑さを感じ難くなっている」からなそうだ。
皮膚感覚で「暑さ」を感じないからエアコンを点けない。
ところが、体の方は熱でやられており、眠っている間になくなってしまう。
実際には「暑いのにそれを感じない」ことが高齢者が熱中症になる要因だということ。
暑いと思わないのなら、そりゃエアコンは点けないだろうから、危機を感じることなくあの世行き。
主な死因はこれも「老化」だった。
処置は最近来た「背の高い看護師」だった。
身長は168㌢くらいで、バレーの選手みたいな体型をしている。背が高くて締まっており、凹凸もあるから体型がきれいに見える。看護着は薄着なので、傍にいるとエレーセクシーに見える。
「こういうのはコーレイシャには迷惑なんだが」
40歳くらいなのに雌の匂い(気配)がプンプンする。
おっかしいよな。
この疑問は五分後に解けた。
隣の患者の措置をしていたが、世間話で「主婦」がどーしたこーしたの話になった。
すると、その看護師は「私は主婦ではなく、シングルマザーです」と言った。
子どもが一人で小学生なら、今は37歳くらいだな(訂正)。
女盛りだし、どこかセクシーに見えるのは、この辺の影響か。
当方は実年齢的にも、まだコーレイシャのつもりはないが(障害者だが)、「看護師がセクシー」ってのは映画かビデオの中だけにしてくれ。
こっちは命が懸かっているんでね。
帰り際にトダさんのベッドの前を通りかかった。
トダさんは当方を見ると、中学生女子のように手を上に挙げて大きく振った。
足を止め、「最近の調子はどう?」と訊く。
すると一時ほどではないが、「食欲がなく食べる気がしない」と言う。腎臓の症状はこの病棟の中でも、かなり軽い方だ。治療時間も3時間半くらいで済む。
だが、食べないから体力が落ちる。
こりゃ、そろそろ、トダさんの家の仏間にいるバーサンの浄化を試みる必要がありそうだ。
当方は祈祷師でも霊能者でもなく、さらに障りを引き受けてしまうことになりかねないが、ただ死んでいくのを見ているよりはましだ。
知らん人なら関わることは無いが、トダさんには、既にもう関わってしまった。