日刊早坂ノボル新聞

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◎病棟日誌 R060803 当人の問題

病棟日誌 R060803 当人の問題
 朝の問診は久々にユキコさんだった。
 顔を見ていると、何となく高齢男性の姿が思い浮かんだ。
 「確かお父さんは田舎で独り暮らししてるんだったな」
 山間の町で、人家が少ない。
 畑いじりが好きだと聞いたような気がする。

 「お父さんには当方のお守りが必要だな」
 急病の時の「紙一重」の違いをもたらしてくれる。
 ここでしばし思案した。
 説明に困るからだ。
 「お父さんの具合が悪くなるかもしれんから、この御守りを送ってあげて」
 この通りなのだが、世間的には、こんなのは当方個人の妄想に過ぎない。
 笑われるだけでなく、怒られるかもしれん。

 一方、トダさんの回復ぶりを見ると、「自分尾直感は正しい」と思う。いまや普通にサクサク歩いている。こないだまで車椅子だったのに。

 結局、「求められてもいないのに、しゃしゃり出る局面ではない」という毛悦論になり、対応を見送った。
 まだ少し時間的余裕があるので、「気を付けろ」とそれとなく言うくらいにした。
 O君やエリカちゃんのように、背中に幽霊ババアを背負っていれば「すぐにこういう処置をしろ」と言えるが、病気であれば、基本は当人の問題だと思う。
 だが、トダさんの時のように、再び悩まされそうだ。