日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

もしTPPに入ったら その1

TPPは、「聖域なき自由化」で、これを実践している国は、今現在存在しません。
 
加盟国に「自由な経済活動を妨げる障壁(構造)」が存在する場合、加盟国のあるひとつの企業が、その相手の国を相手取って訴訟を起こすことができるようになります。
もし、日本がこれに加盟した時、発案者のアメリカ企業が何を言い出すかを想定すると、わかりよいです。
保険会社なら、まず日本の「高額医療費補助制度」に目を付けるだろうと思います。
日本では、所得に応じ限度額がありますが、ひと月に一定額の医療費が発生した時、その国民が望むなら、この制度の適用を申請することができます。
限度額は、低所得者で3万いくら、一般世帯で8(か9)万円程度、高額所得者で15万円。自費負担がこれを超えた時、本人が申請すると補助を受けられます。
 
この制度は国民にとって本当に有用な制度です。
かつては、貧困者は手術を受ける金がなく、治療を受けられないこともあったわけですから。
もちろん、長期療養なら持ち堪えられなくなりますが、それでも、急病になり、手術費が数百万に及んだ時に、家屋敷を担保に借金する必要はありません。
加えて言えば、日本では入院保険の必要はほとんどないと言っても過言ではないのです。
掛け金の低い共済などに入っていれば、自己負担は軽微です。
 
このことは同時に、入院保険を商品として扱っている保険会社からみると、障壁そのものです。
日本にアメリカの保険会社が入ってこられない根拠のひとつとしては十分ですね。
なにせ、あちらには国民皆保険の歴史が存在しません。
これを「自由な競争を損ねる構造障壁」とみなすなら、米国資本が参入できるはずの経済活動が損なわれます。
賠償を求めましょう。これはきっと、数千億で行ける。
判断するのは、米国とその子分連中なので、日本政府はまったく何もしていないのに賠償しなくてはならなくなります。さらに、制度自体を撤廃することに。
 
とまあ、いくらでも日本の制度のせいにできます。
TPPは貿易や農業問題で議論されていますが、毎日、「コイツら、よほどのバカか」と思ってしまいます。
米国の狙いは、まったく別のところにあり、それは日本経済の完全支配ですよ。
 
これは、不景気で国民の個人資産が払底する前に行われないと意味がありません。
戦後の好景気時代に蓄積された個人資産は、3代目には枯渇すると言われています。
要するに、団塊の世代の直下である、現在50歳台の国民で、親世代までの財産を使い切ってしまう。
その前に、「絞り切ってしまおう」というのがオバマ&米国資本の狙いです。
 
TPPがそんなに素晴らしいものなら、環太平洋の諸国すべてに声を掛けるべきなのに、韓国、中国を始め重要な国は入っていません。
単純に、ターゲットが日本で、他の国はそれをごまかすための員数合わせということです。
 
アメリカ人は本当に悪辣なウソをつく。
まあ、正義を声高に叫ぶ輩に、本物はいません。
 
追記)
少し訂正します。
正確には、「正義や改革や、維新を叫ぶ輩に本物はいません」、でした。
国民の生活が第一」も言わずもがな、です。