日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第317夜 殺人者

つい先ほど目覚めたのですが、目覚める直前に観ていた夢です。

目を開くと、すぐ目前に男がいる。
男はオレに拳銃のようなものを向けていた。

「お前は誰だ」
ここは広い部屋の中央だ。30短擁?呂△蠅修Α
調度類は何もなく、がらんとした部屋だ。
その部屋の中で、男はただ黙ってオレに銃を向けている。

「オレは用心深い性格だから、これと言った時には録画している。ただ録画するだけじゃなくて、その映像を別のところに飛ばしている。オレを撃てば、お前は死刑か一生、刑務所だぞ」
オレが用心深いのは事実で、ボイスレコーダーやカメラは常に携帯している。何かある時には、必ずどこかにカメラをセットしてある。
オレは前に東南アジアで事業を試みていた時があるが、これはその時についた習慣だ。

だが、男はやはり無言で、オレに銃口を突きつけている。
問答無用で、オレのことを殺すつもりなのだ。

どうしよう。
あれこれと策をめぐらす。
銃を持っている腕の外側に動くと、的に当てるのは難しくなる。
瞬時に相手の右側に跳躍するってのはどうだ。

ダメだな。
この部屋には何もなく、運よく銃弾に当たらなくとも、ただ延々と右側に回って逃げるだけだ。
あの銃には、10発の弾を込められるから、いずれは撃たれてしまう。
それ以前に、オレの体はどういうわけか、カチコチに固まって動けやしない。
絶望的な状況だ。

「お前。大体、なぜオレの命を狙う。何かお前にやったのか?」
オレの言葉に、男の両目がほんの少し細くなる。
しかし、やはり何も答えず、じっとオレを見ているだけだ。

オレを殺すつもりの割には、まったく撃って来ない。
こりゃどういうわけだよ。
オレなら、もう5回は撃ち殺しているぞ。

この辺で、オレは今の本当の状況が分かって来た。
「なるほど。オレは今、夢の中にいるのだ」
ならば、この男は何かの象徴だろう。

オレを殺そうとしているのだから、死神か?
いや、もし死神なら、コイツは問答無用でオレのことを連れ去っている。
土台、死神が銃を使う必要はないわけだし。

悪魔か?
悪魔ならまだ幸運だ。もしコイツが悪魔なら、コイツが誰で、何をしようとしているかを言い当てれば、動きを止めることが出来る可能性がある。
では、何の悪魔か。

コイツは理不尽にオレの命を獲ろうとしている。
オレがどんな人生を送って来たかどうかは、どうやらコイツには関係ないようだ。
ある日突然現れて、命を奪うのだから、その代表的なものと言えば・・・。

例えば「寿命」とか「病気」だろうな。
その2つのどちらかだ。
もし「寿命」なら、オレに寄り添っているはずだろ。あるいは元々、オレの中にある。
コイツみたいに、不意に目の前に現れて、命を奪おうとするのなら・・・。

「分かった。お前は病気だ。ある日突然現れて、オレの命を獲ろうとする。ところが、今にもそれを実行するかと思えば、何もせずじっとしていたりする。オレの意思や感情とは関わりを持たない存在と言えば、病気の象徴だろ」
オレの言葉に、男が「ふう」とため息を吐いた。

どうやら、オレはこの男の正体を言い当てたらしい。
なるほど、オレの頭の中では、病気はこういう風に映っているわけだ。

しかし、ここでオレは真実に気づいた。
もし、コイツが「病気」を象徴しているのなら、根本的な打開策など無いということだ。
人は必ず病気になり、いずれは死んで行くものだからな。
なんだ。じゃあ、コイツが何時オレを撃つかを知る必要はない。
「いつか」だけで良いのだ。

じゃあ、オレはオレのやるべきことを果たそう。
そう思った瞬間に、オレの体を縛り、動けなくしていた呪縛が解け、オレは手足を自由に動かせるようになった。

ここで覚醒。