日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

扉を叩く音  27/10/09

十月九日午前1時20分の記録です。

午前1時を回った頃、レンタルDVDを返却していないことに気づきました。
明日は朝から所用が重なっていますし、明後日は病院です。
「まだ2時前だから返しに行こう」

DVDを袋に入れ、服を着替えます。
「玄関を開けようとしたら、いつものノックが来たりしてなあ」
などと考えつつ、ドアを開きました。

家の外に出て、敷地から道路に出ました。
すると、隣家の前に女が立っていました。
暗がりの中に、うつむいたまま、じっと立っているのです。
さすがにびっくりしました。

これから、当家に来るところだった模様です。
「よし。良い機会だから退治してやれ」
この辺、物事にはあまり動じない性格です。

「頭を鷲掴みにして、死霊祓いの祝詞を唱えよう」
二歩三歩と近づきます。
女の髪はぐっしょりと濡れており、どこか水から上がって来たばかりのようです。
気持ち悪い。

ところが、よく見ると、その女は手にスマホを持っていました。
「ありゃりゃ。それじゃ、幽霊じゃないんじゃね?」
女が私の足音に気づき、びっくりしたような表情をします。

見たところ、高校生か短大生くらい。
おそらく近所の子で、親に内緒で、誰か(たぶん彼氏)にメールをするため、家の外でスマホを見ていたのだろうと思います。
そのことに気付いたので、そのまま前を通り過ぎて、駐車場に向かいました。
歩きながら考えましたが、髪が濡れていたのは、実際にお風呂から上がったばかりだった、ということです。

つくづく、「頭を鷲掴みにせずに良かった」と思いました。
やってれば、ちょっとした「事件」になってますね。
「いつも夜中の2時に玄関のドアを叩くヤツがいる。そいつだと思いました」
こんな言い訳が通るわけないです。

ほとんどの家庭では、幽霊など出やしません。
そういう事態に直面している人は、普通は他人には言わないものです。
「変な人」「変わり者」になってしまいます。

それでも、当家だけでなく、他家でもこういう事態が起きているところは、必ずあるだろうと思います。