日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

声と光 (2)

 一般に通用するかどうかは分からないのですが、生命力が落ち、死期が迫って来た時の分かりやすい兆候は「お線香の匂い」です。

 子どもの頃、家に親戚の人が来た際に、線香の匂いがしました。
 そこで、その人が帰った後、父母に「何だかあの小父さんはお線香の匂いがした」と告げたのです。
 話はそれだけに留まらず、何日かすると、その人が急逝してしまいました。
 同じようなことが数度あったので、その後、父が病気になった時に、父から「オレはまだ大丈夫か。線香の匂いが出ているか」と訊かれました。

 循環器科に入院していた時にも、誰かが亡くなる数日前くらいには、ベッドからカビ臭いような、線香臭いような匂いがしていました。
 もちろん、これは私の身の周りだけの話かもしれません。

 自分自身の体から、オヤジ臭でも加齢臭でもない「お線香の匂い」を感じたら、いよいよ覚悟するだろうと思います。