日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第676夜 衝立の陰に

◎夢の話 第676夜 衝立の陰に
郷里に向かう前夜に観た夢です。

屋敷の中を歩いている。
廊下から板間に入ると、部屋の中央に衝立が置かれていた。
その先には縁側があり、庭が覗いている。

前に進んで、衝立の横を通ろうとする。
すると、衝立の陰には女が座っていた。

「う」
思わず唸ってしまう。
この心の無い表情は、けして生きた人間のそれでは無いからだ。
女は着物を着て、じっと前を向いていたが、その場に動けずにいる私に目を向けた。

「俺のことが見えるのか」
ま、いつも通り。幽界の住人には、生きている人間のことは見えないが、たまに見える相手もいる。
私もそういう対象らしい。

女は何も言わず、じっと私を見ている。
「ああ。前にも会ったことがある女だ」
ここで私は思い出した。
以前、お城を観に行った時のことだが、夜にその女の夢を観た。
武家屋敷の中にその女が横になっていたが、私の気配を感じ、床から体を起こす。
その夢に出て来た女だった。

「なるほど。約束を果たせというわけだな」
ここで、私はその女と交わした約束のことを思い出した。

ここで覚醒。

八戸の根城を訪れた時に、写真に煙玉が沢山写ったのですが、夜中にこういう夢を観ました。
寝所に横になっていた女がゆっくりと体を起こす夢です。
その時、その女に「いずれ無念を晴らすような物語を書く」と約束しました。
それで、それまでは研究リポートを書いていたのに、突然、小説を書き始めたのです。