日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第692夜 父母も訪れていた

◎夢の話 第692夜 父母も訪れていた
 16日の午前3時に見た夢です。

 我に返ると、俺は長椅子に座っていた。
 「ここはどこだろ?」
 ぼんやりと意識が戻って来る。

 目の前には大きな窓にカーテン。
 この部屋には見覚えがある。
 「田舎の家じゃないか」
 そこは大学生くらいまで暮らした郷里の実家だった。
 俺は今は倉庫になっているその家の応接間の椅子に座っていたのだ。

 灯りも点けずにいるが、部屋の中の様子は隅々まで分かる。
 「薄暗くたって、眼を瞑っていたって、ここは分かるよな」
 何気なくテーブルの上に眼をやる。
 すると、テーブルにはコーヒーの缶が置かれていた。

 「ありゃりゃ。コイツはこないだ来た時に俺が置き忘れたヤツだ」
 寝ぼけているのか、頭の働きが遅い。
 郷里の実家の中だから、俺は夢を観ているのかと思ったが・・・。
 ここで、ぱっと気が付いた。
 「これは、夢なんかじゃなくて、今現在のこの家だ」
 ということは・・・。

 「俺の体から心だけが抜け出して、現実のこの家に戻っているわけだな」
 道理で家の中が真っ暗だった。
 時計を観ると、午前3時。
 ま、今は人が住んでいないから、何時でも真っ暗なのだが。

 壁に目を向けると、1枚の紙が貼ってあった。
 何やら文字が書いてある。
 「暗いのに文字が見えるのは、俺が心だけの存在だからだな。ま、生霊に近い」
 その紙に書かれていたのは、こんな内容だ。
 「ガラスの箱は玄関に移して置きました。私たちは部屋で休んでいます」
 お袋の文字だった。

 今のこの家は、半分は商品の倉庫だが、元の居住部分には俺の荷物が積んである。
 大半が骨董やガラクタの類で、前回、ここを訪れた際に、居間の入り口にガラスの器を入れたダンボールを置いて来たのだ。
 「邪魔になっていたのか。確かに歩きづらいかもな」

 お袋もこの家に来てたのか。
 まあ、俺やお袋にとっては、この家が原風景だから、昔を懐かしんで戻るとすればこの家だろう。

 すると、ここで2階の方から音が聞こえて来た。
 人が歩く音だ。
 「部屋にいるって書いてたな」
 そこには父母の部屋がある。

 足音が「ぎっ、ぎっ」と響く。
 これじゃあ、母の体重ではない。父のほうだ。
 「ああ。お袋が書いた通り、親父もそこにいたのか」
 父は今、介護施設にいる。最近、認知症が進んで来たから、魂を飛ばせるようになっているんだな。

 ドアの外に人の気配がある。
 「お袋が俺の様子を確かめようと、上から下りて来たのだな」
 すぐにドアが開き、外の風がふうっと顔に当たった。
 ここで覚醒。

 夢の世界に下り立った時に、「今は夢の中だな」という意識があったのですが、じきにそうではなく、 「今現在の郷里の実家にいるのだ」と気付きました。
 自分の魂だけがそこに飛んでいるのです。

 すると、そこには半年前に亡くなった母がいました。
 それと、今は別のところにいる父もそこを訪れていたのです。 

 2人の存在感がリアルで、かつ、実際に顔に風が当たったのが原因で目が覚めました。
 目覚めて最初に感じたことは、「母はまだ私の近くにいる」ということです。
 今も息子や孫のことを案じているのでしょう。
 今のうちに、郷里の実家を訪れれば、母に会えるかもしれません。