日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎背盛の八戸写し

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◎背盛の八戸写し
左は十五年くらい前に、NコインズのOさんが来て、「これを見てくれる?」と差し出した品です。
思わず声を上げました。

「おお。これは浄法寺銭じゃない」
「八戸でしょ?」
疑いありませんね。
それを認めてしまうと、値段が跳ね上がります。
まずは存在数がこれ1品限りのものです。

大体、右側が山内座の小様母のわけですが、地元の収集家でも「山内銭」と「称浄法寺銭」をはっきり区別していません。ちなみに前者は、幕末明治初年には確実に存在していたもので、鉄の通用銭があります。後者「称浄法寺銭」には通用銭がありません。

ひと目で「八戸銭」とわかるのは何故か。
八戸領の密鋳銭は、輪側の鑢が「縦方向」になっており、浄法寺系とはまったく違います。

当品は内輪がほつれており、通用銭(鉄銭)から起こしたものだと思われます。
購入価格は、もちろん、半端無い高額でした。