日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第769夜 夢のお告げ

◎夢の話 第769夜 夢のお告げ

 元日の午前6時に観た夢です。年が替わってから眠ったので、これが初夢になります。

 

 我に返ると、俺は書店(兼音楽CD店)の中にいた。

 何かを探していたらしい。

 目の前の書棚には、60年代の音楽CDが並んでいた。

 すぐ近くをマネジャー風の店員(たぶん店長)が通ったので、声を掛けた。

 「あのう、※※の▲□×○という曲を捜しているのですが」

 「それ良い曲ですよね。すぐに売り切れになるのですが、確かあったと思います。私が買おうかと思っていたので」

 「先に私が買ってもいいのかな」

 「勿論ですよ」

 40歳位の店長(たぶん)は誠実そうに微笑んだ。

 

 「レジはどっちですか」

 この店に歩いて入って来たなら分るだろうが、俺は気が付いた時には店内にいたから、店の配置が分からない。

 「あそこの角を曲がって、真っ直ぐ行くと右手にレジがあります」

 「どうも有り難う」

 

 店長に背中を向け、歩き出したが、角を曲がらずに真っ直ぐ行ってから、その先で曲がる方が「近そうだ」と気付いた。そこで俺は店長の言葉に背き、真っ直ぐ進んでみた。

 しかし、これが失敗で、レジの場所が分らなくなってしまった。

 店が長方形ではなく、五角形みたいなかたちだったし、通路も十字に交差していなかったからだ。

 「うーん。どっちだろ」

 首を伸ばして周囲を見渡すと、レジの看板が見える。

 手前にゲートらしきものがあるが、これを通り越して行けば、レジは近そうだった。

 俺はそのゲートの間を通り、先に行こうとした。

 すると、その途端にけたたましい警告音が鳴り響いた。

 「ビビビビビビビビビ」

 すぐさま、眼鏡を掛けた若手店員が駆け寄って来た。

 

 「ちょっとあんた。金を払っていないだろ」

 「今からレジに行くところだけど」

 「いや。ここはレジの外だ。あんたは精算していない商品をゲートの外に持ち出したんだ」

 若者のこんな口調に、さすがに少しむっとする。

 「おい。それじゃあ、俺が万引きだとも言うつもりなのか。もしこのCDを盗むつもりなら、普通は鞄とか袋とかに隠すもんだろ。俺は誰の眼にも見えるように、こうやって掲げ持っているだろ。これはレジに持って行くためだよ」

 内心では「よほど毎日、万引きにやられているのだろう」と思ったが、しかし、同情している場合ではない。

 俺は濡れ衣を着せられそうになっているのだ。

 

 だが、若手社員は居丈高に言い返した。

 「だって、あんたは、会計を済ませた人しか出てはならない場所にいた。要するに、未清算の商品を持って出たということだ。これはすなわち、万引きなんだよ」

 これじゃあ、埒が明かない。

 「じゃあ、警察を呼んで貰おうか。そこで白黒付けて貰おう。その後はタダでは済まさないぞ」

 この時既に、俺は「どうやってコイツを苦しめようか」と報復を考え始めていた。

 すると、後ろの方から声が響いた。

 「ちょっと。この人はレジの場所が分からなかっただけだよ」

 振り向くと、そこにさっきの店長が立っていた。

 店長は若手店員に向かって、言い含めるように言った。

 「この方は、レジに行こうとしていたけれど、道を間違えて、ゲートを逆から入ったんだよ。うちは入り組んでいるからね。さっき私がご案内したから、そういう状況に間違いない」

 「え」

 若手店員は少し不満そうな表情だ。

 日頃から「万引きに気を配れ」とこの店長に言われているから、真逆の展開に戸惑っているのだ。

 店長は、間髪入れず、若手店員に命じた。

「ここは君の判断ミスなんだから、すぐにこの方に謝りなさい」

 そして、店長は俺の方を振り向いた。

 「きちんと言って聞かせますので、ここは了承して頂けませんか。宜しくお願いします」

 俺の返事を待たず、店長は深々と頭を下げた。

 その様子を見て、慌てて若手も倣い、「どうも済みませんでした」と頭を下げた。

 自分の代わりに、上司が先に頭を下げているのだから、当たり前の話だ。

 

 俺は内心で、この店長の手際の良さに感服した。

(まだ40歳かそこらだろうに、世慣れた振る舞いだ。流れるように事態を進めている。大したもんだな。)

 「いえいえ。いいのですよ。私の実家も商売をやっているのですが、万引きには苦労させられているようです。他の客の前でとっ掴まえると、店の印象が悪くなるから、万引きをしているとは分っていても、なかなか掴まえられなかったりします。ご苦労は分ります」

 ここで俺はCDを差し出した。

 「では会計をお願いしします」

 

 精算を済ませ、店を出ようとすると、あの店長が近寄って来た。

 「さっきはどうも有難う」と礼を言うと、店長は別の話をし始めた。

 「あなたは『一言居士』さんですよね。ショルダーに刺さっているファイルにホームページの名前が書いてありました。私は登録会員で、いつも参考にさせて貰っています」

 確かに俺は「一言居士」というハンドルネームで、ロトから競馬の話を書いている。

 その中に予想を含むから、当然、会員制だ。

 「登録されていた方ですか」

 「ええ。さっきは、それに気付いたので、お声掛けしようと後を追ったのです。それで」

 ここで俺は少し身構えた。

 ネットの世界は脳に近いから、自分の思い込みをそのまま爆発させるヤツがいる。

最初はネットに悪口を書くだけだが、そのうちエスカレートして、現実世界でも関わろうとするようになるのだ。

(コイツ。あれこれ文句を言って来るんじゃないだろうな。)

 

 しかし、店長はクレームを言おうとしたわけではなさそうで、表情が綻んでいた。

 「一読者の感想ですが、次は大当たりを引くんじゃないですか。私は次の回は一言居士さんの書かれる通りに買うことにしました」

 それを聞いて、俺は首を捻る。

 うーん。それって勝負の話だよな。馬券なのか、ロトなのか。

 

 ここで俺の頭の中に声が響いた。

 「おいおい。俺はもしかして『お告げ』じゃないのか。早く起きろ」

 ここで覚醒。

 

 おそらく対象はロトのこと。これは2年くらい研究している。

 単に「そろそろ当てよう」という思いが、こんな夢を観させたのかも。

 そう言えば、昨年の初夢は「シャケトラが勝つ」で、実際に、その次の出走レースで、シャケトラは7番人気で1着に入った。単勝から三連単までを、1点か数点で的中するという珍しい展開になった。ただの夢ではなく「予知夢(お告げ)」だったのだ。

 

 万が一のことを想定し、次回は丁寧に行く必要がありそうだ。

 夢は潜在意識を反映させるから、「単なる願望」で済ませないほうが良い場合がある。

 

 「一言居士」というハンドルネームで、「ウェブサイトを開く」というのはアリだと思う。4等的中の間隔が短くなって来たわけだから、そろそろ「買い方(選び方)」の精度が「良い水準まで来た」ということだろう。

 ま、3等を「コンスタントに当てられる」ようになってからでも悪くない。