◎スーパーで「万引き」が増える
緊急事態宣言から二か月目に入るわけだが、早速、生活が困窮している人が激増しているらしい。
スーパーで「お弁当」を万引きするケースが増えているという。
(この辺、家人の話で報道なのか、直に見たのかは分からない。)
切実な話だ。
万引きは「ほとんど病気」だから、本人にとって必ずしも必要な物を盗むとは限らない。人知れず盗むことに快感を覚えるためだ。
しかし、それが弁当なら、実際、「腹が減って仕方がない」という意味だ。
今は陽気が良くなり、薄着になって来ているから、「お弁当」を隠すのは、ちょっと難しいと思う。
ここで妄想が膨れ上がる。
ガードマン「ちょっと待ってください。あなたジャケットの内側に隠しているものがあるでしょ。さっき何か入れるのを見ました」
客「いや、何も持っていないよ」
ガードマン「確かに見ました。ちょっと中を見せて貰えますか」
客「嫌だよ。なんでそんなことをしなくちゃならんの。何もしていないのに」
ガードマン「では、事務所の方に来てもらいます。そこで検めさせて貰います」
客「誰が行くか。お前にそんなことをする権利は無い」
ガードマン「何も隠していなけりゃ平気でしょ。ちょっと開いて見せてくれればそれで済みます」
客「おい。もし何も無かったら、ただでは済まねえぞ。訴えてやるからな」
ここに店長がやって来る。
店長「どうしました?」
ガードマン「あれです。コード13」
他の客の視線に気付き、ガードマンは隠語を使った。
店長「ふうん。それでは、ここでは他のお客様の迷惑になりますから、事務室の方でお伺いします」
客「嫌だと言ってるんだろうが」
ガードマン「そうは行きませんよ。それともこのまま警察を呼びますか」
これで客が完全にキレた。
客「いい加減にしろ。それじゃあ、見せてやる。ほれ。俺の上着の中のどこに弁当があるんだよ」
男が上着を思い切り開いて見せた。
ところが、左右の脇の下には、何も隠されていなかった。
それを聞いた店長が言う。
店長「盗ったのは弁当だったのか。自分で白状してら。はは」
ガードマンが頷く。
ここでガードマンが何かを発見した。
ガードマン「確かに弁当でしたね。ほら」
ガードマンが指差したのは、客のズボンの裾だった。
店長「あ。ソースが垂れてら。コイツ。パンツの中にホイコーロー弁当を隠していたのか」
はい、どんとはれ。