◎コレクション道あれこれ(6)漆器
漆器も段ボールでかなりの数があるが、大半は生活調度品でガラクタ同然だ。
実家の取り壊しの際にはゴミ屋行きが必至だ。
だが、骨董・古民具の世界の中で漆器ほど恐ろしいものはない。
12世紀くらいの品が割と良い状態で残っていたりするのだが、5千万8千万は普通の評価だ。
ま、主に希少価値ということで、状態が損なわれていない品が少ないし、そういう品はそもそも質自体が抜群によい。
高校同期O町のM君の家に遊びに行ったことがあるが、庭には銭座で使った石の道具があるし、蔵が幾つもある。
そのうちの崩れかけた方に入れさせて貰ったが、幕末の南蛮壺がぽろっと放り出してあった。
おいおい。
漆器も木箱に入れて積んであったのだが、天井が壊れているから、「いずれ遠からず朽ち果てるよな」と思った。
三歩進んで「整理してあげようか」と言えば良かった。
ところで、世間の蔵にある品では、高そうなヤツは大体ダメだ。
焼き物や掛け軸、刀は、概ね「三代に一人」の割合で出る「放蕩息子」が持ち出して売り払っている。残っているのは、概ねガラクタだ。
割と良いのは、漆器と古文書。漆器は「売り物になる」と思われていないことが多い。古文書は市場価値はそれなりだが、資料としての価値があったりする。
画像は明治の菓子盆だが、裏をひっくり返すとがっかりする。
あまりにもへたくそ過ぎるのだ。
岩手の浄法寺塗を見ていると、こういうレベルのは、もはやガラクタの類になってしまう。
実際に使う程度だが、それでも菓子が不味そうに見えてしまいそうだ。
生活骨董としても数千円程度。