日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第804夜 階段

◎夢の話 第804夜 階段

 二十二日の午前八時の仮眠中に観た夢です。

 

 会合の後、食事をすることになった。

 メンバーは親戚が数人、知人が六七人だ。

 その中の一人が「いい店を知っているからそこに行こう」と言い出した。

 皆が動き出すので、とりあえずついて行った。

 

 すると、どこかの駅前の集合店舗に入って行く。

 「ここは、時々、夢に観る場所にそっくりだな」

 いつもここから家族の許に帰ろうとするか、旅に出掛ける。

 

 細い階段があり、皆がそれを登って行く。

 気が付くと、俺は最後尾になっており、後ろからついて行こうとした。

 階段の手摺に手を掛けたが、思いの外、狭くて急な階段だった。

 五六段登ったところで、立ち止まる。

 「息が苦しい。心臓に持病がある俺には到底無理だ」

 上を見上げるが、一行は既に上の階に去った後だった。

 足を止めて考える。

 

 「ここで俺は階段を上がれないから、ここで失礼します」

 そう言うのは無粋だし、言っても取り合ってはくれぬだろう。

 健康な者は、そうでない人の状況を理解することがない。

 そういう経験がないからだ。

 「よし。もうここで帰ろう」

 階段を降り、駅に向かって歩き出す。

 

 連絡すれば、「早く来い」と言われ、そこでまたすったもんだ。

 詰るやつさえいる。

 それなら黙って帰るに限る。

 後に残った者は、「アイツは勝手なヤツだ」と言うだろうが、死ぬのは俺一人だ。

 「絶対に俺の葬式には来るなよな。親族友人まで引きずり込んでやる」

 

 ここではっと我に返る。

 今、仲間を呪ったのは、俺自身の声ではない。

 「なるほど。一年前のあの妖怪顔の幽霊が、俺を自分の仲間にしようとしているわけだ」

 危ない危ない。

 「そろそろ眼を覚まさなくっちゃあな」

 ここで覚醒。

 

 「暗黒面」からの勧誘は毎日続く。

 たまに、乱暴な運転をする車に対し、「十日以内に死ね。家族も丸焼けだ」と叫んだりするが、まさか実現してはいないだろうな。

 少し不安になる。

 

 明日は病院のエレベーターで撮影することにした。

 その場で開かなければ、たぶん、恐ろしくはないと思う。

 もし何かがいれば、それは妖怪のような醜悪な顔をしている筈だ。

 

 まずは「良くなる」と信じることから。

 私が自分自身を信じられぬようなら、誰一人(または一体)として救済できない。