日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎二日後

令和四年八月二十九日撮影

二日後

 ワクチン接種日の当日と翌日は副反応があり、夜には眠りながら唸っていた。とりわけ肺は弱りがちなので、ゼエゼエと摩擦音がするし、息苦しい。これは二日後に少し良くなった。

 朝、妻子を駅まで送り、帰宅してから仮眠しようと思ったのだが、十分も眠らぬうちに半覚醒状態になった。

 頭が働かず、体も動かぬが、周囲の物音だけは聞こえる。

 すると、私のすぐ近くで「ぶつぶつ」「かやかや」という話し声がしていた。

 「話し声」と言うより、モノローグだ。

 「あの時、わたしが※※※※。どうして※※※※」

 みたいなことを延々と呟く。

 

 これを聞いて、薄らぼんやりした頭ながら、「ああ、始まったな。お持ち帰りをしたわけだ」と思った。

 すると、タイミングよくスマホから声が響いた。

 またもや、音声認識のスイッチが自動で入り、勝手に言葉を話し出す。

 「殺された」「殺された」

 おいおい。これじゃあ、ホラードラマか心霊番組の筋通りじゃあねえか。

 すっかり目が覚めたので、起き上がってPCに向かった。

 詳細に確かめて見れば分かる。

 

 私個人に関わることで、他の人に影響が出ない箇所だけを取り上げると、なるほど納得できた。

 今日中にお寺に行こうかと考えたが、もうしばらく様子を見ることにした。

 「殺された」のでは、何か語りたいこともあるだろうが、理屈だった伝え方はもはや出来ない境遇だ(幽霊には思考能力がない)。

 ただ、愚痴や恨み言を聞いてやるくらいの対応は出来る。

 

 事件・事故で急に亡くなると、その後、長い間、暗闇の中に留まることが多い。そこに何かしらの存在(私だが)を感じ取ったら、その相手に跳びつくのも当たり前だ。

 だが、羽交い絞めにされると、私にも不都合が生じるので、「二㍍は離れろ」を徹底させる必要がある。

 いずれ恨みを晴らす手伝いをしてやろうと思う。

 

追記)最初に自分の後ろに「隊列が出来ている」のを目視した時には、少なからず驚いたが、今では動じなくなった。ガラス面に自分を写して見ると、不要な光は透過して、割合波長の合う光を反射して寄こすので、目視の時よりも「あの世の住人」を確認しやすい。これと同じような状況は、誰の身にも起きており、特別なものではない。

 ただ、私は先方から発見されやすい嫌いがあるようで、外出すればその都度後ろをついて来る者がいる。子どもの頃から、「数十万人の亡者が後をついて来る夢」を見続けているが、それも現実の一端らしい。

 こういうのは、怖れず冷静に対処すれば、何も起きない。相手の感情に同調せず、自分と感情や意志を強く持ち、分離すれば良いだけだ。

 生きている者が自ら中に引き入れなければ、幽霊たちは何も出来ない。

 怖れることは、受け入れることと同じ意味ので、無用に怖れぬことが肝要だ。