日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎病院あるある

病院あるある

 木曜は通常の通院日だったが、この他に胸腹部エコーの検査が入っていた。

 朝から通常の治療で、これが二時前まで。そこから検査だ。

 パジャマで検査室の前に座っていると、急患が搬送されて来た。

 「すいませんが、外来の患者さんの検査を先にやらせて貰います。ごめんなさい」

 三月は救急搬送が多いから、集中治療室での対応が一杯になったのだ。ここは入り口近くで、外が見えるから、救急車が出入りしているさまが見える。ここまで搬送して来たが、既に一杯になっており、別の病院に転送される患者もいる。

 

 「別に後で大丈夫ですよ」と答えた。

 俺は今日の内には死なんと思うが、この人たちは怪しいもの。

 そのまま急患二人の検査を待ったが、割合時間が掛かった。

 既に疲れているし、入り口近くにいたので体が冷える。

 

 ようやく順番が来て、エコー検査を受ける。

 検査技師は胸部腹部の担当が違うらしい。

 四十くらいの女性技師に調べて貰っていると、途中でその技師が声を発した。

 「あれ。これ何だろ」

 何か見付けたらしい。

 「うーん」と首を捻りながら、同じ個所を幾度も調べる。

 心臓周辺の兆候は無いから、梗塞ではないだろうな。

 腫瘍か何かがあったか。

 先週末に画像に異変があったから、病変が起きていても不思議ではない。

 そもそも腫瘍くらいなら、毎回の検査で複数か所見つかる。

 

 技師が「すいませええん」と上司を呼ぶ。

 五十台の別の技師がやって来て、検査を替わった。

 「ああこれね」

 最初の位置から検査をやり直した。

 やりながら、技師が尋ねる。

 「今は何か心臓の病気とかありますか?」

 「今は別に病気はしていません」

 うまく動いていないだけ。

 

 検査に慣れていない患者なら、「あれ?」で不安に思う筈だから、病変を見付けてもその場で声を出すのは控えた方が良いと思うね。

 ちなみに、何かしら病巣が出来ている可能性は十分にある。

 幽霊に「集られるから病気になる」のか、「病気になったから集って来る」のかは定かではないが、画像に異変が写った時には影響が生じていることがある。これは一日の内に起きる。

 だが、本来、体の不調が原因で起きたものでなければ、適切な処置をすれば、これも短期間で消える。

 

 ここで上司の技師が「大丈夫かもしれない」と呟く。

 それで気付く。

 なるほど。さっきの急患の人たちでは、でこでこ病変が出ていたわけで、それが影響して「またか」と思ったわけだ。

 ま、ほとんど意識が無い状態で運ばれて来ているのだから、それなりのはっきりした病変がある患者たちだ。

 診断結果を前の人と入れ違えて出さんでくれよな。

 普通の三つくらいの方で頼む。

 

 改めて、検査をしながら「何だろ?」と声に出すのは止めて欲しいよな(w)。

 「ちょっとした出来事」の数日後にたまたま検査が当たっていたわけだが、手を打ってあるから、来週には病巣が消えると思う。

 

 検査が終わり、病院を出たのは午後四時頃で、結局、この日は終日病院に居た。

 こういう日が続くと、息をしているだけの暮らしに近づくから、精神状態を保つ方に手が掛かる。

 実際、帰宅しても疲労が大きく、夕ご飯の支度をした後、自分自身は夕食を取らずに夜中まで横になっていた。