日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎病棟日誌 R061017 コーンが多い理由

◎病棟日誌 R061017 コーンが多い理由
 エレベーターに乗ると、この日の四文字熟語の出題は「急死一生」だった。
 「きゅうしいっせい」とは、変わった名前だな(w)。
 捻って文字変換するとなると「〇死〇生」あたりか。
 「半死半生」「起死回生」と、一年前に調べた時に知った言葉の「一死七生」。最後のは聞き慣れぬが、「七回生まれ変るまで」で、「いつまでも」という意味らしい。

 ベッドにいると、新しい栄養士がやって来た。
 まだ若い栄養士で、この日は挨拶だけ。
 栄養士や看護師は、キャリアの長いオバサンの方が有難い。
 スタッフが20台30台中心になると、そのこと自体がリスクになる。
 いつも「五十ババア」の悪口を言いからかうが、細かいことに気付く、小うるさいオバサンほど有難いものはない。

 治療後に食堂に行くと、この日の給食はチキンのソテー。
 付け合わせが「コーンと豆の和え物」「ほうれん草とコーンの炒め物」で、コーンやグリーンピースがやたら多い。
 食器は箸だけで、一粒一粒を箸で拾って食べる必要がある。
 「これじゃあ、認知症気味のジジババはしんどいぞ」
 なぜスプーンを添えないのだろう。

 だがすぐに気が付いた。
 「豆を拾わせること自体が目的なわけだ」
 指先に集中して細かいものを扱うと、脳の刺激になる。
 食事を出すことには「一食当たりの標準的な量やバランス」を教育する目的があるが、豆やコーンを拾わせることで「ボケ防止」を図っている。
 なるほど。ここの病棟の食事は無料で、費用計上されぬが、入院患者でもないのに給食を出すのは「生活」ではなく「教育」が目的だ。
 病院によって対応に違いがあり、あくまで通院治療であるから、食事を提供しないところも多い。また、有料であれば、「自分は要りません」と断る患者が増える。給食スタッフの手間が煩雑になるし、均一の栄養指導を行えず個別対応になる。
 患者の摂食内容を知ることも出来るから、治療に役立つ。
 ここはよく考えられている。
 明細を見ると、やはりこの分は計上されていないから、純粋に病院側の提供するサービスになっている。
 この辺はここは優れていると思うが、その反面、常勤医が少なく、非常勤医で回しているから、肝心の医療の質が少し危うい面がある。何事にも一長一短があるようだ。

 帰宅したら、具合が悪くなり、床に倒れて眠り込んでいた。
 普段と大差ないから、家族は放置。かなり気温が下がって来たからしんどかったが、ま、障害者はこんなもんだ。