日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

「良い人」の欠点(元総理経験者について)

ビジネスのパートナーを選ぶ時には、「もしその相手が良い人、優しい人なら止めておけ」という諺めいた言葉があります。
気立てが良くて、良心的。他の人に対して思いやりがある。そんな人のことです。
これで「パートナー失格」とはこれいかに?

理由は「優しい人は、他人に対してだけでなく、自分にも優しい」から。
もっと言えば、人間は「自分に対し最も寛容で、理解を示す」ので、他者に対し優しさを示す人は、それよりはるかに自分に対して甘い。

ビジネスの際には、約束を「死んでも守る相手」が信頼できるわけですが、この辺が甘くなってしまうわけですね。
おそらく、うまく行かなくなると、それが出来ないことの言い訳を述べ立て、理解してくれと言って来る。
それなら、お互いに「約束を守らないと殺すぞ」という関わり方をする方が、ビジネス上ははるかに上手く回るし安心できる、という理屈です。

お金持ちの家で育った人には、良心的で、自由な発想の出来る人が多いです。
生活するために何かを「やらねばならない」「あきらめねばならない」という経験がなく、時間を自由に使えた。
それが、自由な考えを持つ人を形成したのです。
よって芸術家などには向いています。

こういう人の頭の中は、基本的に「善意」で出来ています。
「オレと同じように」他の者も善意を持って振る舞うべきだ、と思っている。
「善意なのだから、皆もオレと同じように考えてくれるべきだ」
これはもちろん、実社会では叶えられません。
大半の人は、自分本位の暮らしを送っているし、私利私欲を達成するために生きています。

この元総理のように、五十過ぎた息子に、母親が30億円のお小遣いをくれるような家はこの国には皆無です。
同じように考えられる人はいませんので、この人の心の内にある善意は、もちろん伝わりません。
この人は自分の思う通りにならなくなって、初めて思考が逆転します。
「なぜお前らはわからない」「バカなのか」
「オレのように善意で生きろよ」

その結果、この「優しい男」は完全にスネてしまいます。
他の人の意見とスタンスの違う考え方に従って、なんでも反対するようになる。
まさに「駄々っ子」の状態になってます。
でも、人生を通して、お金持ちの家の駄々っ子だったのです。

「まあ、あんたの言い分も分からないでもないから、普通の方法で行きましょうよ」
そう宥めてくれる有力者が居れば良いけれど、自意識が高いので、なかなか聞く耳を持ちません。

つい最近、別れた男の勤務先と勘違いして、無言電話を1万回掛けた女性が居ましたが、それと同じで、「誰かが止めてくれなければ、自分では止められない」状態になっているのでしょう。

この先、最もありそうな事態のひとつ目は、腹に据えかねた誰かに、この人が刺されるというもの。
これは本人にとって半分は本望です。悲劇の主人公になれます。
しかし、ここは韓国ではないので、そういう事態は回避させないと。

ふたつ目は、不法行為の有無を調べられて、逮捕される。
脱税辺りから追及して、動けなくする。
この人が自分で金をごまかしたりする可能性は無いので、「そう見える」情報を作れば宜しい。

もしくは、資金源を取り上げる。これは難しいです。相続税の申告漏れが数十億でも、あっさり払えてしまいます。

「良い人」は損得では動かない。これは、既に満たされており、勘定で動く必要が無いから。
損得で動かない人間に生き方を改めさせるのは、極めてやっかいなのです。

善意で行動しているのに、やっていることは「悪」そのもの。
「良い人」「優しい人」とは関わるな、という諺は、極めて的を射ていると思います。